このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
「お熱!」のときのお子さまのケア | |
2009-12-20 更新 | |
小児科を受診される理由の中で一番多いのが「発熱」。 ことにインフル大流行の昨今はなおさらです。 パパ・ママを不安に陥れるこの「発熱」。 しかしこれはウイルスや細菌などの病原菌と有利に戦うための防衛反応なんです。 人間が快適に過ごせる体温は病原菌にもとっても快適。 反対に体温が高くなると病原菌も活動が鈍ります。 一方体温の上昇とともに免疫細胞は活発になるので、体にとっては有利になります。 つまり体は病原菌と有利に戦うために脳が指令を出して体温のセット温度を高めているわけです。 子どもが大人と違う点はちょっとした風邪でもすぐに40℃くらいの高熱になってしまうこと。 これは子どもの体温調節機構が未熟なためといわれています。 「発熱は病原菌と闘う有利な反応」と頭では理解していても、お熱でつらそうなお子さんの姿を見ると、解熱剤を使うべきかどうか、ママの心は揺らぎます。 お子さんの発熱と解熱剤について大切な点を挙げてみます。 <お熱と解熱剤> @解熱剤は熱によるつらさをとる薬と割り切りましょう。 発熱していても「食う・寝る・遊ぶ」がしっかりできていえば解熱剤は必要ありません。体の免疫反応で戦ってもらいましょう。 A解熱剤で熱が下がってご機嫌が良い時間帯を有効利用。 消化の良いお食事をとらせたり、気持ちよくお昼寝させたり・・・と、病気と闘う戦力を補充してあげましょう。 B解熱剤で熱を下げても、それは一時的なもの。 自然に解熱した場合と違って、解熱剤で下げた熱は、いずれ再上昇すると思ってください。 しかしこれは薬が切れたからであって、病気が悪化したわけではないのでご心配なく。 C40℃の高熱で脳がやられることはありません。 高熱で脳がやられるのではなく、脳が障害を受けて体温調節中枢が不調になるため猛烈な高熱が出るのです。 D漫然と「解熱剤生活」を続けるのは危険です。 発熱が続いているのは、まだ病気の原因が解決されていないから。 解熱剤生活は大きな病気の発見を遅らせてしまうことにもなりかねません。 発熱反応はいわば火災報知器です。 うるさいからといって火災報知器をオフにしたままでは、本当の火災に気づくのが遅れ大惨事になってしまいます。 外来に熱型表を持参するときは、どこで解熱剤を使用したのかがわかるように記載していただけると助かります。 Eインフルエンザ流行期に使用できる解熱剤は限られています。 必ず主治医と相談して使用してください。 <お熱の時の過ごし方> @とにかく水分補給;電解質もいっしょに補充できるOS-1などのイオン飲料、酸味の強くないジュース、麦茶・番茶、あっさり野菜スープ、味噌汁上澄み A授乳・食事;ほしがらなければ無理しない。水分だけでもOK。食べてくれるようであれば、油っぽくない消化の良い物を。すぐにカロリーになるデンプンをしっかり(おじや・うどん)。あとは鶏ささみ、白身魚などの良質のタンパク質で栄養補給。 B布団・衣服・暖房;熱の上がりはじめで、手足が冷たかったらめいっぱい暖めて、上がりきって暑がっていたら薄着にして布団も少なめに。汗をかいたらこまめにお着替えを。 Cアイスノン・冷えピタ;いやがらなければ使ってもOK。いやがるなら無理強いせず。首の付け根、脇の下、ももの付け根などが効果的。 インフルの流行もまだくすぶっています。 「お熱!」のときに参考にしてください。 |
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