このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
起立性調節障害のお子さんの生活リズム作り | |
2014-06-29 更新 | |
朝起きられない、午前中だるくて元気が出ない、午前中に強いめまいや頭痛、腹痛の症状があるなど、いわば「朝調子が悪い症候群」である起立性調節障害(OD)のお子さんは、一般の小中学生の5〜10%を占めるといわれています。 お薬による治療も大切ですが、それとあわせて日常生活上の工夫も大切です。 今回は、ODのお子さんの生活リズムの整え方を中心にお伝えします。 ODのお子さんは、夜の寝付きが悪く朝寝坊の傾向があります。 これは体内時計の1日が普通より長いことと関係しています。 通常ヒトの体内時計は1日が25時間といわれています。 毎日1時間ずつのズレの修正は、ふつうは体が無意識でやっています。 ところがODの傾向のあるお子さんは、1日が27〜30時間の体内時計を持っているため、毎日数時間もの体内時計の修正を行わなければなりません。 自然のなりゆきに任せれば、毎日数時間ずつ夜更かしの朝寝坊にずれ込んでいくわけです。 そんなODっ子が決まった時間に眠りにつきやすいようにするには、以下のような工夫が有効です。 @中学生なら、毎日夜11時には床に就くようにする。小学校高学年はできれば9時、遅くとも10時に。 A寝る前から部屋の灯りを暗めにする。 白々とした蛍光灯より、オレンジ系の電灯の薄暗い灯りのほうが眠りホルモンであるメラトニンの分泌を促すので眠りを誘いやすいといわれています。 B癒し系の音楽を流して、体を横にしたまま、体を伸ばすようなストレッチ体操を10分程度ゆっくりと行う。 ぜひおうちの方がいっしょにやってあげましょう。 ODっ子は肩こりが強く、関節も固くなりがち、ストレッチでほぐしてあげましょう。 B朝は部屋を明るく 朝は苦手なODっ子、すぐには目覚められなくても、朝7時にはカーテン全開で部屋をできるだけ明るく。 まぶしがって布団をかぶると思いますが、そんな時は、背中や手足を優しくさすって血行を良くしてあげましょう。 Cお休みした日の過ごし方 つらくてお休みした日の過ごし方もとても大切です。 どうせ欠席したんだからと、一日横になっていては悪循環が始まります。 おうちにいる時も決して日中は体を横にしてはいけません。 交感神経機能がますます鈍ります。 できるだけ体を動かし、休憩する時も横にならず座る姿勢として下さい。 昼寝は禁物。 日中ごろごろしていると、ますます寝付きが悪くなります。 欠席した日もおうちお方が付き添って30分程度は外に散歩に出かけたり、おうちのことを手伝ってもらって、心地よい疲れがあるようにしてあげましょう。 食生活では、水分をたくさん摂らせる、塩分摂取をしっかり、ということも大切です。 生活リズムはすぐには整いません。 おうちの方がいっしょになって朝方の生活リズムを作ってあげることが大切です。 根気づよくがんばりましょう。 |
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