このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
運動誘発性喘息を予防して元気なスポーツの秋を! | |
2014-09-06 更新 | |
秋はスポーツの季節、マラソン大会が行われる学校も多いことと思います。 今回は、運動誘発性喘息(EIA)についてお話しします。 持久走など、ある程度きつい運動で喘息発作が誘発されることがあります。 このような運動中あるいは運動後に起きる喘息発作を運動誘発性喘息といいます。 <特徴> @運動開始後10分くらいで起きることが最も多い。 A激しく持続する運動ほどおきやすい。 B運動の種類;マラソンで多く、水泳で少ない。 C冷たく乾燥した気候で多く、高温多湿で少ない。(寒く乾燥した日のマラソンは最悪) D軽症の喘息患者さんで10%、中等症で50-60%、重症で80%で起きる。 <原因> 運動時の激しく頻回な呼吸により、気管支表面の粘膜の水分が飛ばされたり、過度に冷やされたりして、敏感粘膜の状態になり、アレルギー反応が誘発されて、気管支が収縮してぜーぜー・ひゅーひゅーが始まるといわれています。 <予防> @日頃の喘息の治療をしっかり行って敏感気管支の状態を治療しておく。 ちょっと走ったくらいでぜーぜー症状が出る場合は、マラソンなどの激しい運動でのEIAの誘発は必発。 日頃の治療について定期受診時に主治医にご相談を。 Aしっかりとウォーミングアップ 運動を開始して一回EIAが起きると、その後はしばらくEIAが起こらなくなり、この安定した状態は2時間ほど続きます。 これを「不応期」と呼んでいます。 この不応期がマラソン大会の本番に当たるようにできればばっちり。 不応期に至るためには、軽いウォーミングアップ程度ではだめで、わざと軽くEIAを起こす程度のやや激しい運動が必要です。 このあたりの加減がちょっとむずかしいですね。 B運動をインターバル形式で行う 激しい運動を持続すると起こりやすいので、ときどき休憩を入れて運動を行う。 Cマスクを着用 空気吸い込みの入り口で湿度と温度を保持することで気道粘膜からの水分喪失を予防しEIAを予防。 D普段からトレーニング 適度な運動を継続することで体力をつける。 E薬による予防・・・主治医とご相談を。 #気管支拡張剤を15分前に吸入または60分前に内服 #DSCG(インタールなど)を15分前に吸入 #ロイコトリエン拮抗薬(キプレス/シングレア/オノンなど)の内服 #ステロイド吸入(フルタイド/パルミコートなど)をしばらく継続 EIAを持ちながら優秀な成績をおさめている有名なスポーツ選手は大勢います。 喘息があるから・・・と、スポーツに消極的になるのではなく、しっかり予防して、積極的に楽しく体作りを! |
バックナンバー