このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
アレルギーと食用油 | |
2012-03-24 更新 | |
喘息や鼻炎など、春はアレルギー疾患が悪化しやすい季節です。 体内でのアレルギーの反応に、食事から摂取する油が関係するということをご存知ですか? 食用油は大きく分けて以下の3つに分類されます。 @オメガ3;αリノレン酸 Aオメガ6;リノール酸 Bオメガ9;オレイン酸 これらのうち@はアレルギー反応を抑制、Aは促進、Bは中立です。 ですからアレルギー疾患をお持ちのお子さんの食事では、できるだけAを減らし、@Bを摂取するという方向が望ましいと思われます。 では、それぞれどんな油がそれぞれの分類に入るのでしょう。 一般にサラダオイルとして市販されている大豆油、コーン油、紅花油、ひまわり油などはすべてAのアレルギー促進油です。 この油はアレルギー疾患を増加させるだけでなく、動脈硬化を促進し、成人病をも増加させます。 わが国のAの油の摂取量はなんと世界一多く、必要量の6倍も摂取してしまっています。 各国の母乳の成分を分析したデータでも、日本のお母さんの母乳のリノール酸が1番多くなっています。 ではアレルギーを抑制してくれる期待の油@には、何が含まれるのかというと、ちょっと聞き慣れない名前ですが、「シソ油」「エゴマ油」「あまに油」それと魚の脂分です。 しかし、シソ油、エゴマ油、あまに油は、とても酸化しやすいため、加熱して調理に使うことはできません。 使うとすれば、シソ油でドレッシング、あまに油で自家製マヨネーズなど、加熱しない使い方がおすすめです。 魚の油の有効成分で有名なのが、ご存知DHA、EPAであり、お魚とくに青魚をたくさん食べることは、この点からもアレルギー予防に効果的といえます。 またαリノレン酸は、かぼちゃ、ネギ、ピーマン、ほうれん草、大豆、キャベツ、白菜、果物、海藻などにも多く含まれており、日々の食事でこれらを積極的に取り入れることも大切です。 それでは、炒め物などの料理に普通に使える油でアレルギーに悪影響がないものは、何油かというと、これがBの油で、オリーブ油がこれに含まれます。 アレルギー予防、動脈硬化予防のためにも、日々のお料理にはオリーブ油を使いましょう。 もう1つ、とってもアレルギーに悪影響がある油に、「トランス脂肪酸」があります。 トランス脂肪酸はAのリノール酸の加熱調理でもたくさん発生しますが、さらにトランス脂肪酸を多く含む食品の代表はマーガリンです。 諸外国ではすでにマーガリンはいわば毒物の扱いで、販売の厳重な規制がありますが、日本には残念ながら、まだこうした規制がありません。 まだまだマーガリンの上を行くトランス脂肪酸含有食品に「ショートニング」があります。 ショートニングは、フライドポテト、揚げせんべい、クッキー、ケーキ、チョコレート、カレールー、レトルトカレー、マヨネーズなど、いろいろなものに含まれています。 質の悪い油が、お子さんのからだに、いかに大きな悪影響を及ぼすかがおわかり頂けたと思います。 良質の油を賢く使ってお子さんのアレルギーを予防しましょう。 <まとめ> @調理にはオリーブ油を、できるだけ少量でつかう。 A青身の魚、αリノレン酸を多く含む野菜を、しっかり摂らせる。 Bマーガリン、ショートニングは、絶対に摂らせない。 |
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