このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
スキンケアで食物感作を予防しましょう | |
2011-01-08 更新 | |
食物アレルギーとは、本来人間にとって栄養となるはずの食べものによって引き起こされる好ましくない免疫反応です。 卵を食べるとじんましんが出る、牛乳成分の入ったお菓子で嘔吐するなどです。 食物アレルギーの始まりは、からだの免疫機構が特定の食物をアレルギーの原因(アレルゲン)として認識するステップです。 これを「感作」といいます。 血液検査である食物に対しての抗体が陽性であれば、感作されていると考えます。 (もちろん、この検査で陽性であることと、その食物を食べて症状が出る(食物アレルギー症状)ことは別の問題です。) しかし赤ちゃんの検査結果を見ると、赤ちゃんが一度も口にしたことのない食物により感作されていることがしばしば見られます。 これまではこのような結果の原因は、妊娠中や授乳時にお母さんを介して赤ちゃんに入り感作してしまうと説明されてきました。 しかし、その後の研究によって皮膚を介しての感作の重要性がクローズアップされてきています。(経皮感作) 実際、小麦蛋白を使った石けんの使用による小麦アレルギー、ベビーマッサージなどでのピーナツオイル使用によるピーナツアレルギーなど、皮膚についたことがアレルギーの原因を作ってしまっているケースが報告されています。 日常生活では、食べ物の付着したお母さんのエプロンに頬ずりしたり、食物かす食べこぼしの散らかりの中をハイハイしたり、こどもを取り巻く環境には食物アレルゲンが少なからず含まれているために、お口から食べていなくても、皮膚からアレルギーを作ってしまう可能性が充分に考えられます。 一方、食物アレルギーをお持ちの赤ちゃんでは、乳児期早期から湿疹が出没する経過がよく見られます。 このようなお子さんでは、皮膚バリアー機能が障害されているため、生活環境中のアレルゲンがますます容易に皮膚に侵入してしまい、さらに感作が成立しやすくなります。 皮膚を介しての経路が食物への感作のルートとして重要なのであれば、食物アレルギーを予防するためにもスキンケアが大切といえます。 <スキンケアの基本> @きちんと洗って Aしっかり保湿 B外からの皮膚刺激を最小限に もちろんこれだけで食物アレルギーが予防できるわけではありませんが、スキンケアをしっかり行うことは赤ちゃんにも全く負担がなく、気持ちがいいことです。 日頃からスキンケアにより皮膚バリアを補強し、かさかさ、じくじくにならないようにして、すべすべお肌をキープしてあげることで、少しでも感作を少なくしてあげましょう。 (スキンケアの方法の実際については外来でご相談下さい。) |
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