このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
「愛された記憶」の大切さ | |
2010-03-27 更新 | |
こどもが人生で出会う困難にきちんと取り組み乗り越えていく「力」の源は「愛された記憶」にあるといわれます。 「自分は愛されていた!」、「自分の存在は喜ばしいものだった」と実感できる幼少期を過ごすことで、人は自らの力で困難を克服していく意欲を持ち続けることができるのです。 この意欲はどこから引き出されるかというと、「そのままの姿で、愛され、受け入れられているという安心感」です。 安心感を親から引き出そうとして、こどもはしばしば「甘える」のです。 甘えは一言でいえば、相手の愛情を求めること。 「あるがままのぼくを受け入れて・・・」という、いわば挑戦状です。 十分に甘えることを実感できたとき、こどもは「ぼくはママに愛されている。ぼくがいることでママは幸せなんだ!」と、自己評価を高めることができ、親への信頼感も高まり、その安心感を礎に生きる意欲が育ちます。 反対に甘えが満たされないとき、相手に怒りが生じ、さらに「自分は甘えさせてもらえる価値のない人間なんだ・・・」と自己評価が低くなり、周囲への不信感が生じたり攻撃的になったりします。 甘やかさないことが自立を促すのでなく、甘えて良いときに十分甘えた人が自立して困難に立ち向かうのです。 そのままの自分でぼくは愛されている・・・この「愛された記憶」こそが、わが子に捧げる最高の贈りもの。 10歳までは徹底的に甘えさせてあげましょう。 ところで「甘え」と「甘やかし」の違いはどこにあるのでしょうか。 「甘やかし」はおとなの都合でこどもを支配すること、過保護、過干渉のことです。 できるはずのことをこどもにやらせず大人がやってしまう、 できるはずのがまんをさせない、 金品の要求を安易に受け入れるなどがあてはまります。 「甘え」は、こどものペースを尊重して、 情緒的な欲求(スキンシップ・赤ちゃん返り)を受け入れる、 どうしてもできないことを手伝ってあげる、 どうしてもがまんできないことを助けてやる、などです。 実際の場面では2つの区別が困難なことも多いのですが、その都度おとなが賢く見極めて判断してあげましょう。 こどもの心は「甘え」と「反抗」を繰り返して成長します。 「甘え」とは「依存」 「反抗」とは「自立」 でもあります。 完全に親に依存した状態で生まれてくる赤ちゃん。 十分に甘えを受け入れてもらった安心感にすっぽり包まれて、赤ちゃんの心は健やかに育ちます。 そしてあるときこどもの心に「自分でやりたい」「自由に行動したい」と、自立の意欲が芽生えます。 ところがしばらくすると「ちょっと不安・・・」に。 依存の世界に戻ってきて、また安心感をもらいます。 そういうことを繰り返して、こどもは自立していくのです。 こどもが不安になって、後ろを振り返ったときは、「だいじょうぶだよ」とうなずき返してあげましょう。 安心感を充電する心の基地の存在が「また自分でがんばってみよう」という意欲を引き出してくれるのです。 |
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