このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
ワクチンの同時接種について | |
2010-12-25 更新 | |
新年からヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸癌ワクチンの公費負担が始まります。 接種対象等については、先日メールにてお伝えした通りです。 今回は、特にヒブ、肺炎球菌と、他のワクチンの同時接種について考えます。 この2つのワクチンは主な目的は、細菌性髄膜炎予防です。 とても重要なワクチンで、ぜひとも1人でも多くのお子さんに受けていただきたいワクチンです。 しかしこの2つのワクチンは順調に乳児期早期に開始できた場合、初回免疫に3回、追加免疫で1回と、計4回の接種が必要になり、赤ちゃんが受けるワクチン接種回数はとても多くなります。 そもそもワクチンは、その病気が多く発生する時期の前に接種される必要があります。 多くのワクチンを適切な時期に接種するためには、混合ワクチンを開発するか、複数のワクチンを同時に接種するしかありません。 日本においては、すぐには前者は望めないため、同時接種で切り抜けるしかありません。 一度に2つも3つも接種することはかわいそうと思われるかもしれませんが、間隔を空けて待っている間にその病気にかかってしまっては何にもなりません。 同時接種についての現在の医学的見解を以下に述べてみます。 @どの病気に先にかかるか予測できないので、できるだけ多くの病気に対する免疫を早期につけることができる。 A不活化/不活化、不活化/生、生/生、いずれの組み合わせでも有効性に差はない。副反応も差が見られない。 B予防接種ガイドラインにも「医師が必要と認めた場合には行うことができる」とうたわれている。 C世界中では6種、7種を同時に接種する国も多く、複数同時接種が標準である。我が国でも海外渡航前には、従来から行われていた。 これらを総合すると、同時接種のメリットは明らかにデメリットを上回ると考えられます。 「ワクチンで防げる病気」から1人でも多くのお子さんを守ってあげたいものです。 これからの乳児期の標準的おすすめプランは以下の通りです。 @3ヶ月になったら;三種/ヒブ/肺炎球菌 Aその1週後;BCG Bその4週後;三種/ヒブ/肺炎球菌 Cその4週後;三種/ヒブ/肺炎球菌 D1歳;MR/おたふく/水痘 E1歳6ヶ月頃(Cの1年後);三種/ヒブ/肺炎球菌(追加) もちろんこの開始月齢を過ぎているお子さんでは、お子さんごとに適したスケジュールをご説明しますので、お気軽にお電話下さい。 同時接種はあくまでご希望があれば可能ということで、これまで通り1つずつの接種ももちろんOKです。 新年はヒブ、肺炎球菌のご希望の増加が予想されるため、ワクチンの接種時間帯を拡大してなるべくご希望にお応えできるようにいたします。 ご希望の方はお早めにお電話下さい。 もちろんインフルとの同時も可能です。 |
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