このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
いのちを見つめる夏を体験しましょう! | |
2012-07-28 更新 | |
夏休みもたけなわ、お子さまたちはわくわくした日々をお過ごしのことと思います。 夏はまた、お盆やお墓参り、終戦記念日などもあり、「いのち」について考える機会の多い季節でもあります。 夏休みはぜひお子さんと「いのち」について、ともに考える時間を持っていただきたいと思います。 今回はそのためのアドバイスをいくつかご紹介します。 <お子さんと一緒にお料理してみましょう> すべての食べ物には「いのち」があります。 そして人間をはじめすべての「いのち」は別の「いのち」をいただいて生きています。 食べ物として私たちの口に入ったものは、消化吸収のステップを経て、私たちの体の一部となっていっしょに生きているとも言うことができます。 お米や野菜、そしてお肉やお魚、すべてがそれぞれの「いのち」を生きている・・・その大切ないのちをいただく行為が食事です。 日本語の「いただきます」というあいさつは、このことをとても美しく表現している言葉だと思います。 またその準備がお料理。 それぞれの「いのち」を生きていたお野菜、お肉、お魚に、こころから感謝して、その素材がいちばん輝けるように調理してあげたいものです。 ちょっと時間にゆとりがある夏休み、ぜひお子さんといっしょに食材のお買い物に出かけましょう。 そして、ぜひお手伝いをお願いし、いっしょに食卓を準備してみてください。 お子さんががんばって切ったキウリやトマトは、味もまた格別、好き嫌いも絶対に減りますよ。 食べ物のいのちが無駄なく私たちの役に立てるよう、自分の食べることができる分だけ取り分けて食べ残しを作らないマナーも自然と身につくと思います。 家族そろって「いただきます!」とあいさつして食事を始めることは、家族の楽しいコミュニケーションをもたらしてくれることうけあいです。 <小さな「いのち」を育ててみましょう> ミニトマトや小松菜、何でもいいのです。 簡単に、お庭やプランターで、お子さんと一緒に育ててみましょう。 ミニトマトを1つ収穫するためにいかに多くのお世話が必要か、お子さんに身をもって体験させてあげることは、「食」を見直す大切な機会となります。 直に育てることが難しい場合、近隣の畑を見学させてもらうこともとてもすばらしい体験になります。 帰省の際にそのようなチャンスがあればぜひお願いしてみましょう。 また、コオロギやバッタなど、小さな生き物を育てる体験も夏休みならではですね。 ぜひ直に触れ、可能なら飼育してみましょう。 どんなにしっかりお世話をしても、秋風が吹く頃には、新しいいのちを結んで土に帰ってしまう・・・。 寂しいけれど、いのちあるものには終わりがあり、子孫を残していのちをバトンタッチするという摂理を、お子さんの柔らかく素直な心で直に感じてほしいものです。 たちどころにリセットされてしまうテレビゲームとは違うんだということを学ぶことは、いのちを大切にする何よりの授業となることでしょう。 <お墓参り、葬儀などには、お子さんを参加させましょう> 今の自分のいのちがあるためには、お父さん、お母さん、そしてそのお父さん、お母さん・・・・と遠い昔からの無限のご先祖のいのちの営みがあったとうことを、お墓参りでお子さんに伝えてあげましょう。 どの日1日をとっても、先祖の限りない努力のたまものであることを思うとき、自ずと自分のいのちのかけがえのなさを、お子さんは感じるはずです。 また、「死」というものを忌み嫌う日本の風土では、葬儀などに小さなこどもを参列させないことも多いようです。 しかし、それは少し違うと私は思います。 人は死を真剣に考えるとき、初めて真剣に生きることに思いを至し、今を大切に生きることができるのだと思います。 また、大切な身内や友人知人のご遺体に対面することで、遺された私たちは明日からの決心を新たにします。 そして痛ましい死を無駄にしない努力を積み重ねることができるのです。 パック入りのお惣菜、ゲーム遊びの氾濫、死を見つめることへのタブーなどなど、現在の日本には、いのちの尊さをお子さんが学ぶ機会がとても少ないと感じます。 いつもより時間が取れる夏休み、ぜひお子さんといのちについていっしょに考えてみて下さい。 |
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