このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
乳幼児の「かみつき」を考える | |
2013-11-17 更新 | |
今回は乳幼児の「かみつき」について考えます。 保育園の0歳児クラスの後半から、「かみつき」のあらわれるお子さんがあります。保育園で「かみつき」が出始めると、この「かみつき」行動が連鎖してクラスに広まりやすく、問題になりますので、早めに対処してあげる必要があります。 園で「かみつき」をしているお子さんは、家庭でも父母に対してかみついていることが多いようです。そんなときのおうちでの対応はどうしたらいいのでしょうか? まだことばで自分の意思を表現できない小さなこどもたちにとって、「かみつき」はコミュニケーションのひとつです。考えてみて下さい。もし、親御さんが、まったく言葉の通じない社会にひとり取り残されたらどんなに不安な思いをするか・・・。 この年代のお子さんにとって、「かみつき」は、究極の自我の表現、自己主張の手段なのです。ですから、お子さんが「かみつき」によってどんな思いや願いを表現使用としているのかを、周りの大人が深く理解することが、対応の第一歩です。自分の気持ちを充分に受け止めてもらい、自分がやったことを充分認めてもらったこどもは「かみつき」が少ないといわれています。 たとえば、おもちゃの取り合いでお友達にかみついた場合、 「おもちゃがほしかったんだね。くやしかったね。『か〜し〜て〜』っていおうね。」 また、ボール投げでうまく投げられたとき、 「わぁ〜、上手なんだ。すごいね〜〜」 など、受け止め、認めることばがけが大切です。 また子どもは、かみついたことで相手が泣き出すなどの変化を見ることに興味が出てくることがあります。こんなときは、現場をとらえて、 「○○ちゃんが、いたいいたいだよ。いっしょにごめんねしよう!」 と行為が他者を傷つけたことを認識させるとともに、他の魅力的な遊びに興味が向くようアドバイスします。 そしてうまくいったときは、 「すごいね〜〜」と認めてあげるなど、自我の発散が、良い方向に向けらるよう援助することも大切です。 「かみつき」行為が親御さんに向けられたときはどのように対処したら良いでしょうか?そのときは、「かみつき」を、ふざけや愛情表現と寛容に受け止めるのではなく、「痛い!」と、ママが真剣に痛そうな怖い顔つきをして、不快をしっかり表現しましょう。こどもはまだ場所をわきまえることができません。家でかみつくこどもは、外でも同じ行動を取ってしまいます。そのように不快な表情をしっかり表現したあとで、気分を切り替えて、 「○○が欲しかったんだね。」 「おなかがすいたんだね。」と、お子さんの気持ちを推し量って言葉で表現してあげましょう。 このように、小さなお子さんのかみつきは、自我の発達の一過程であることを充分理解した上で、保護者や保育者が、お子さんに、人を噛んではいけないことをしっかり伝えていくことが大切です。また、こどもが「かみつき」によって自我を表現せざるを得ない深い思いと願いを理解して、まずはお子さんの良いところをほめて、認めてあげ、お子さんが健やかに自我を表現できるように、言葉による表現方法を根気づよく伝えてゆきましょう。 |
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