このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
「仕事復帰/子育て専念」を考える | |
2013-05-25 更新 | |
新年度が始まりもうすぐ2ヶ月、当初泣きの涙で登園していた保育園デビューのお子さんも、園生活に少しずつ慣れてきた頃だと思います。育休が明け、仕事に復帰するお母さまたちにとって、保育園に出すという決断は、親子共々少なからず、つらい思いをされたことでしょう。また、登園しはじめの度重なる風邪ひきなどに直面され、「これで良かったんだろうか」と自問自答した日々もあったかもしれません。 今回は、お母さまが働くことと子どもの育ちとの関係について考えます。「3歳児神話」という考え方が古くから言われています。すなわち、「子どもが小さいうち、特に3歳までは、母親が子どものそばにいて育児に専念すべきである」というものです。 この点について、少し前に厚労省は大規模な調査を行いました。その結果、こどもの心の発達に大きく影響を与えるのは、保育時間の長さではなく、家族とそろって食事する機会の頻度でした。家族でめったに食卓を囲まない家庭のこどもは、対人技術の発達の遅れのリスクが70倍、理解度遅れのリスクが44倍でした。またアメリカでの同様の調査でも、母親の就業の有無によって、こどもの社会性、行動上の問題、学業など知的発達などに違いは見られませんでした。 たしかに、乳幼児期の脳の発達は著しいものがあり、その時期にたっぷりの愛情に包まれて心も体の安心できる環境で育てられることは、とても大切なことですが、それが必ずしも母親1人の肩にずしりと委ねられなければならないというわけではありません。 結論的には、仕事に復帰するかどうかは、周りの意見に惑わされず、ママ自身が自信を持って決断するのが1番だということです。ママがしあわせであると感じることができるとき、お子さんもしあわせになれるからです。 「子育てのせいで仕事に復帰できず残念だ」とママ自身が感じるようであれば、たとえ復帰を断念して育児に専念したとしても、それは親子共々不幸になります。 「せっかく私が仕事まで犠牲にして育児に尽くしたのに・・・」 という思いを抱きながらお子さんに接しても、穏やかで温かい愛情のキャッチボールは成立しません。また、そのような状況で養育を受けることは、こどもにとっても大きな負担です。 反対に、育児に専念したいという思いに反して仕事復帰した場合は、当然仕事にも熱意を持って取り組みにくいでしょう。またこどもに対して後ろめたさが残ってしまい、そのような態度では、鋭いこどもの直感で足下を見られてしまいがちになります。育児の壁にぶち当たったときも、 「私が仕事になんか出ているから、こんなことになっちゃった・・・」 などなど、前向きな考えは浮かんできません。 このようにどちらが絶対正しいということではなく、ママ自身が1番しあわせだと感じることができる選択が、お子さんをもしあわせにするのだと思います。 復帰を選んだ場合、当然お子さんと接することができる時間は短くなりますが、お迎えにいったときはその分愛おしさでいっぱいになるでしょう。また職業/家庭の2つの生活のどちらにもプラスになるように、上手に気持ちを切り替えることができるようになると思います。 「育児に専念」を選んだ場合は、お子さんのかけがえのない時期に、ともにたっぷり時間を過ごせ、心身ともにゆとりを持ってお子さんに接することができるしあわせを、お子さんとともに感じることができるでしょう。これはお金をどんなに出しても手に入れることはできないしあわせです。 ポイントは、ママが自分の気持ちに素直に、選んだら迷わずというところでしょうか。 お仕事ママへのアドバイスを挙げてみます。 (幼児対象も含めます) @こどもの話を良く聴いてあげる お忙しい毎日だと思いますが、5分でも10分でも、お子さんの今日の出来事をよ〜〜く聴いて上げましょう。 そしてお子さんがうまくいった、ほめられたなど、良いお話をしてくれたら、心から喜んであげて下さい。 困っていることがあったら、その場でよ〜〜く聴いて上げましょう。「忙しいから後にして!」は禁句です。 時間がないとついつい、「早く○○しなさい!」という小言の連発になりがちですが、お子さんのお手柄を心から喜び、お子さんと楽しい時間を共有することができれば、たとえ短い時間でも、お子さんの心は充分満たすことができると思います。 Aママのお仕事の意義をわかりやすく説明する 「ママが仕事に行っててごめんね」というスタンスでは、お子さんは被害者意識しかもちません。 むしろママが仕事をしていることに誇りを持てるように、ママのお仕事の内容をわかりやすく説明してあげましょう。 「ママのお店にお洋服を買いにきたひとに、すてきなお洋服を教えてあげてるんだよ。」 お子さんは、ママのお仕事する姿を想像しつつ、保育園でもめちゃめちゃがんばることができます。 朝のお見送りでは、お互いに「エール交換!」ってな感じです。 B朝はいっしょにしっかり朝食を! 家族の帰宅時間はまちまちのことが多いもの。 夕食は難しくても、朝こそ家族全員で朝食を摂りましょう。 発想を変えて、朝ごはんに力を入れてみませんか。 夕食はある意味それから寝るだけの食事です。 朝食こそ1日の活力の源、1番大切な食事です。 仕事に復帰、子育てに専念、ママの気持ちに素直な決断ならば、どちらもベストです。 ママのしあわせな笑顔を、お子さんは待っているのです。 |
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