このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
スポーツにおける熱中症予防 | |
2012-07-21 更新 | |
梅雨も明け、夏休みになりました。 十分な時間が取れる夏休みは集中してトレーニングもでき、スポーツクラブ、部活の盛んな時期でもあります。 そこでご注意いただきたいのが、お子さまたちのスポーツ時の熱中症です。 過去約50年で200人弱の学童/生徒が、学校管理下において熱中症で死亡しています。 熱中症は死亡することのある病態と考え、決して甘く見ず、予防策をしっかりとりましょう。 @どんなときに多いの? 急に暑さが本格化した7月下旬〜8月上旬に多発。 これは暑さにまだ体が慣れていないため。急に暑くなった日は特に注意が必要です。 気温が高いことはもちろんですが、湿度60%以上では、気温30℃以下でも死亡事故が発生します。 Aどんな人が特に危険? 風邪気味や疲れがたまっているときは要注意。 肥満があるお子さんは特に注意が必要。 暑い環境下では、トレーニング量を減らしたり、十分な水分補給を行い、休憩もしっかりと。 B運動開始からどれくらいで発症? 4割は2時間以内に発症。早いときは30分でも。 死亡例は、半数が発症から12時間以内に死亡。重症なものは進行も早い。 <対策> @危険の度合いを見極める〜〜WBGTの活用〜〜 上にも述べたように熱中症は気温だけでなく、湿度その他の気象条件も複雑にからんで発症します。 それの目安になるのがWBGT。 WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算され、度で表される値です。 気象庁のサイトで簡単に確認することができます。 http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/2012/604.html WBGTは、以下の5段階で評価され、それぞれ運動時の危険度の目安が示されています。 21度まで;ほぼ安全:水分補給は適宜必要 21〜25;注意:死亡事故発生の可能性あり。兆候に注意し、運動の合間に積極的に水分補給 25〜28;警戒:危険がさらに増加。積極的に休憩をとり、水分を補給。激しい運動では30分おきに休憩を。 28〜31;厳重警戒:危険性はきわめて高い。激しい運動や持久走は中止。運動する場合もさらに積極的に休憩と水分を。体力の低い人や暑さに慣れていない人は運動禁止。 31以上;運動は原則中止:特別な場合以外は運動は禁止 暑い時期の運動では、事前に必ずこの値をチェックしておきましょう。 暑い時期の運動では、事前に必ずこの値をチェックしておきましょう。 A水分補給の目安に運動前後の体重測定を 体重の3%以上の水分が失われると体温調節に影響があるとされています。 運動前後の体重減少が2%以内におさまるように水分補給を。 B水分補給は何を? 軽いスポーツでは市販のスポーツドリンクで良いでしょう。 激しいスポーツではより塩分濃度の高い経口補水液 OS-1などがおすすめです。 0.1〜0.2%の食塩水でもOKです。 C休憩のタイミングは? 30分に1回の休憩がおおよその目安。 D服装は? 吸湿性や通気性の良い軽装で。 直射日光は帽子でさえぎるようにしましょう。 熱中症の発症はいろいろな要素が絡みます。 スポーツの現場では、選手の動きやトレーニングの質が保たれ、異常を訴える選手がいないことが大まかな目安です。 熱中症は死に至ることもある重篤な事態、しっかり対策を立てて、安全にトレーニングに参加しましょう。 |
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