このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
スポーツ時の熱中症予防 | |
2011-06-25 更新 | |
暑さも本格的になってきました。 梅雨のさなかの猛暑は、高い湿度も手伝って特に熱中症の頻度が高いとされています。 熱中症とは読んで字のごとく熱に中る(あたる)こと。 頭痛、めまい、腹痛、嘔吐、顔色不良、手足や腹筋などの痙攣、呼吸数、脈拍数の増加、失神など、暑さが原因でいろいろな症状が出現します。 重度な場合は命にかかわります。 最近はスポーツクラブなどに参加するお子さんも多く、夏の練習では特に注意が必要です。 今回はスポーツによる熱中症予防について考えます。 <熱中症の起こりやすい環境や活動の条件> @前日に比べ、急に気温が上がったとき A梅雨明けをしたばかりのとき B 気温はそれほどでなくとも、湿度が高いとき (例: 気温20℃、湿度80%) C活動場所;アスファルト 砂の上 草が生えていない裸地 など D普段とは異なった場所での練習のとき (涼しいところから暑いところへなど) E休み明けや練習の初日 F練習が連日続いた時の最終日前後 <スポーツの現場で熱中症にかかりやすい人> @新入生や新人など体力のまだ弱いお子さん A肥満傾向のお子さん B病気上がりなど体調のすぐれないお子さん(発熱時などはもちろんです) Cまだ暑さになれていないお子さん Dけがをしているお子さん E今までに熱中症になったことのあるお子さん F性格的に、我慢強い、まじめ、引っ込み思案なお子さん <対策> @暑さに徐々に馴らしていく 熱中症は梅雨明け直後や、夏でなくても急に暑さが増したときに多く発生します。 これは体が暑い環境にまだ慣れていないためです。 急に暑くなったときなどは運動を軽くおさえ、体を暑さに少しずつ馴らしていきましょう。 A個人それぞれの条件を考慮する 病中病後など体調の悪い時は運動は控えましょう。 また、まだ体力のついていないお子さん、肥満傾向のお子さん、以前に熱中症になったことのあるお子さんは運動を軽減し、特に良く観察してあげましょう。 B服装 吸湿性、通気性の良いもので、なるべく白系統のもの。メッシュ素材の半袖、短パンなど。 帽子で頭部を直射日光から守る。 C具合が悪くなった場合には、早めに運動を中止して、必要な手当を 足の動きや運び、目の焦点、こちらの質問に普通に反応できるかを観察しながら見守る。 少しでもおかしいと判断したら、涼しいところで休憩させ、十分な水分補給を。 <運動時の水分補給の目安> @飲み物 常温(涼しいとき)か5〜15℃(暑いとき)、 1時間程度の短時間の運動には水だけでも十分ですが、長時間にわたる運動の場合には、糖分とミネラル分をを含んだものの方がよいと思います。 塩分濃度0.1〜0.2%、糖度3〜5%程度が基本です。 普通のスポーツドリンクは糖分濃度が高すぎ塩分が足りないため、通常のスポーツドリンク(カロリーオフ甘味料でないもの)を2〜3倍に薄めて、そこに食塩をひとつまみ入れると簡単です。 グレープフルーツやオレンジの果汁を少し入れると飲みやすくなります。 Aタイミング 「乾いたな」と思ったときには既に遅し、体は脱水をしてきています。 「早めに、こまめに」が基本です。 小さなお子さんでは、本人の自由に任せる方法だけでは危険です。 定期的にブレイクを入れて確実に飲ませ、さらに本人が欲しがれば充分に与えるというほうが良いでしょう。 B量 運動前30分;200〜400mlを数回に分けて 運動中;およそ20分ごとに一口から200ml程度 運動後;運動中の体重減少を充分補える量を。運動終了から寝るまでの間に、欲しがるだけ充分に。 運動時のお弁当は、しっかり塩の利いたおむすびなど、塩分補給も大切です。 夏の運動では、風邪気味など体調の悪い時は無理させないこと、前日は充分に睡眠を取らせてあげるようにしてください。 健やかな夏をお過ごし下さい。 |
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