このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
花粉症予防のお助け食材 | |
2011-02-27 更新 | |
2月に入ると毎年飛散が始まるスギ花粉。 今年は昨年夏の猛暑の影響で、例年にも増して大量に飛散しています。 このところお子さんたちにも、鼻炎、喘息、結膜炎など、花粉によると思われる症状が多く見られます。 私たちの体には細菌やウイルスなどの異物(抗原)が入り込むと排除しようとする免疫機能が備わっています。 花粉も体にとっては異物。 排除しようとしてさまざまな反応をおこします。 鼻水やくしゃみも不要な花粉を体内から追い払おうとする反応です。 問題なのはこの反応が激しすぎること。 ある抗原に必要以上に繰り返し攻撃がおこり、結果として自分自身に不都合なアレルギー症状を引き起こしてしまうわけです。 この免疫反応の暴走を抑制する食生活の工夫をお伝えします。 @腸内環境を整える食材 免疫に関係する血液中の細胞にヘルパーT細胞というリンパ球があります。 この細胞はさらに2種類の細胞に分けられ、その1つがTh1細胞、もう1つがTh2細胞です。 後者のTh2がアレルギーに関係するIgE抗体を作ります。 この2つは通常均衡を保って存在していますが、花粉症体質のかたの体内に花粉が侵入するとTh2 細胞が過剰に増えて、Th1とTh2のバランスが崩れ、IgEがたくさん作られ、アレルギー症状を引き起こします。 このTh1とTh2のアンバランスを元に戻す作用を持つ食品として注目されているのが乳酸菌です。 一部の乳酸菌にTh1細胞を活性化し増えすぎたTh2のバランスを改善してくれる効果が期待できるということです。 乳酸菌を手軽にとれる食品としてはヨーグルト。 毎日継続的にとることで善玉菌の豊富な元気な腸内細菌バランスを作り、免疫反応の暴走を予防しましょう。 また善玉菌が働きやすい腸内の環境を作ってくれる食物繊維をしっかりとることも大切。 糖分としては、砂糖のかわりに、善玉菌のえさになってくれるオリゴ糖をとるようにするのもおすすめです。 Aアレルギー症状を抑える食材 体内でヒスタミンという物質が放出されると、くしゃみや目のかゆみなどの症状を引き起こします。 加工用トマトに多く含まれるトマト特有のポリフェノール「ナリンゲニンカルコン」は、このヒスタミンを押さえる働きがあるとされています。 シソに含まれるポリフェノールである「ロズマリン酸」には、炎症を和らげる作用があるといわれています。 緑茶に含まれる「カテキン」もヒスタミン放出抑制に有望。とくにメチル化カテキンが注目されています。 日常的にお子さまの食べやすいものでは、タマネギなどもポリフェノールを多く含み、おすすめです。 B粘膜を丈夫にする食材 花粉症の予防には、アレルギーの原因物質の侵入をブロックしてくれる最前線である鼻や腸の粘膜を丈夫にしておくことも大切。 そのためには、良質なタンパク質のほか、もずくなどに含まれるネバネバ物質にも注目です。 また粘膜を守るビタミンA(人参、かぼちゃ、レバーなど)、血管を強くするビタミンC(イチゴ、みかん、キウイなど)の摂取もお忘れなく。 大人では、もちろんアルコール、タバコは控えましょう。 これらの食物だけで効果てきめんというわけではありません。 規則正しい生活とバランスのとれた食生活がまず大切。 特定のものばかり食べることは百害あって一利無しです。 発酵食品を日々の食生活に採り入れた旬の野菜たっぷりの食生活は、花粉症予防のみならず、元気な毎日の基本です。 楽しい春をお過ごし下さい。 |
バックナンバー