このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
葉酸をしっかりとりましょう! | |
2010-04-17 更新 | |
葉酸という栄養素をご存じですか。 緑のビタミンとも呼ばれるこの物質は、ほうれん草をはじめとする葉物野菜に多く含まれるビタミンBの一種です。 タンパク質や遺伝子を構成するDNA、RNAの合成や、赤血球の生産に重要な働きをしていますが、近年もう一つの大切な働きがわかってきました。 葉酸が欠乏すると無脳症による流産・死産が増えたり、二分脊椎などの先天異常が増加するというのです。 1991年、イギリスなどで行われた詳しい調査で、妊娠前後に葉酸を積極的に摂ると、生まれてきた赤ちゃんの二分脊椎の発症を72%減少させることができることがわかりました。胎児の神経の基礎は妊娠6週までにできあがってしまうので、妊娠がわかってから葉酸をたくさん摂っても、ちょっと手遅れということになります。 そこで欧米では、パン・シリアル・パスタなど常に食べる穀類への葉酸の添加が義務づけられました。 その結果二分脊椎の発症頻度を著しく減少させることに成功しました。 一方日本では、ここ20年あまりの間で二分脊椎の発症は2倍以上に増えています。 若い女性の間でのダイエット志向も手伝って、葉酸の摂取量が大変不足していることが大きな原因の1つと考えられます。 また授乳期の女性で葉酸不足があると、赤ちゃんの発達・発育に遅れを及ぼすとされています。 さらに葉酸不足は動脈硬化の促進、血管の梗塞の増加、アルツハイマー病の増加など、中高年においても重要な問題となっています。 妊娠可能性のある女性はもちろんのこと、すべての年代層の男女において、日々の食生活でしっかり葉酸を摂ることが大切です。 <葉酸摂取のポイント> @水溶性ビタミンなので毎日欠かさず摂ること A水や熱に弱いので、生で食べられるものはできるだけ生で、あるいはゆで汁ごと食べられる調理法で摂る BできるだけビタミンB6 B12などと一緒に摂る <葉酸を多く含む食品> @ほうれん草 からし菜 春菊 ブロッコリー アスパラ Aいちご オレンジ グレープフルーツ マンゴ アボガド Bレバー うなぎ 卵黄 B豆 納豆 豆腐 Cのり 酵母 緑茶 (レバーはビタミンAを多く含むため、摂りすぎると胎児の顔面奇形が増加するので摂りすぎに注意) |
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