このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
おうちでできるアトピー対策 | |
2012-10-27 更新 | |
さわやかで湿度の低い秋晴れのお天気、いきおいお肌はカサカサしがち。 最近皮膚のかゆみで受診されるお子さまが多いようです。 今回は、おうちでできるかゆみ対策についてお伝えします。 @清潔 毎日の入浴とシャワーで汗や肌の汚れを落としましょう。 肌の汚れは、皮膚の最近の格好のえさになってしまいます。 皮膚の細菌は皮膚の組織を壊す分泌物を出すことで症状を悪化させたり、かゆみや痛みを起こします。 汗にも細菌が大好きな養分がたっぷり含まれています。 本来汗そのものは弱酸性で、本来適度な抗菌作用があるのですが、汗が乾いて塩分濃度が増えると抗菌力が落ちてしまいます。 汗をそのままにして乾いてしまうことがいちばん良くありません。 汗をかいたら、気軽にシャワーへ直行させましょう。 ただしそのたびにしっかり石けんで洗うのは、かえって皮膚のバリアーを弱めます。 1日1回は石けんをつけてきれいに汚れを落とし、それ以外は、ぬるめのシャワーで手際よく汚れと汗を流してあげましょう。 たとえば夜はきちんと石けんをつけて洗い、朝は気軽にシャワーで流すだけというように。 それ以外もスポーツの後など適宜シャワーで汗と汚れを流しましょう。 石けんは、香料などの入らない天然素材のシンプルなものがおすすめ。 スポンジやネットで充分泡立てて、そのムース状の泡で洗うというイメージです。 からだも髪も、まずぬるま湯のシャワーで下洗いをすること。 そのあと、泡立てた石けんを手で優しくのばしてなで洗いしてあげ、最後にしっかりとぬるいシャワーですすぎましょう。 A保湿 しっとりとしたお肌はバリアー機能も充分。 反対にかさついたお肌は、刺激に敏感になりかゆみも出やすくなってしまいます。 これからの寒い季節、お風呂から上がったあと、暖房のきいた乾燥した部屋にいると角層の水分が急激に蒸発してお肌が一気に乾燥してしまいます。 予防のためには、しっかりと保湿をすること。 お子さんのお肌に合った保湿剤を使って、できれば入浴後15分以内、遅くとも30分以内に、しっかりたっぷり保湿をしてあげましょう。 夜の入浴後以外は、朝のシャワーの後、学校、幼稚園から帰宅したときなど、1日2-3回は塗ってあげましょう。 手の湿疹が出やすいお子さんは、手を洗ったらすぐに保湿する習慣をつけてあげましょう。 B衣服の工夫 素材は綿を中心に、肌触りの良いものを。 直接肌に触れる部分には、毛糸や起毛のものは避けましょう。 縫い目がかゆみを誘発する時もあります。 そのような時は、裏返して着せるのも良いでしょう。 うなじのタックは、とてもかゆいものです。 着せる前にかならずキリのようなもので外してあげましょう。 C掻かせない工夫 *手袋をはめる;夜間はかゆみのために思いっきり爪で傷を作ってしまうこともあります。綿素材のミトンをするか、少し大きめの綿のトレーナーなどを着せて、腕の先部分を縛っておくこともひとつです。また、ズボンの先をしばることで、下肢の引っ掻きを予防できます。 *肘の筒;小さなお子さんが夜間どうしても引っ掻いてしまう時は、肘部分に筒をつけて、肘が曲がらないようにしておくことも方法です。 *包帯、リント布、チュビファスト;湿疹の悪い部分は、外用処置の後これらで覆っておくことも良いでしょう。 D冷やす かゆみのひどい時は、まず冷やしましょう。 保冷剤をきれいな木綿のハンカチなどにくるみ、かゆい部分に当てておきましょう。 室温はあまり高くせず、暖房もちょっと凉しめがおすすめです。 夜間の電気毛布は暑すぎてかゆみを助長します。控えたほうが良いでしょう。 E肌にいい栄養素を *健やかなコラーゲン作り;お肌の土台を作るコラーゲン。 これの合成にはタンパク質とビタミンCが大切。 お魚、お肉、豆類、野菜、果物などバランスよく摂らせてあげましょう。 *肌荒れ予防ビタミンたっぷりと; ビタミンB2・・うなぎ、レバー、牛乳、卵、野菜、しいたけ ビタミンB6・・魚、肉、レバー、牛乳、卵、米、豆 ビタミンE・・・抗酸化作用が皮膚を健やかに保ちます。アーモンドやひまわりの種などの種実類、小麦胚芽などに多く含まれます。 また、日射しの強い季節は特に紫外線対策も重要です。 日々の暮らしの工夫でかゆみからお子さんを守ってあげましょう。 |
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