このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
胎児期からの成人病予防 | |
2009-01-30 更新 | |
成人病の素因は胎児期にできるという学説が注目されています。「受精時・胎児期・乳児期に、低栄養・過量栄養の状態に遭遇すると成人病の素因が作られ、その後に過量栄養・低運動・加齢などの生活習慣が加わると成人病が発症する」というもので、バーカーという学者が最初に提唱しました。 その後この学説を支持する多くの調査結果が公表されています。たとえば出生体重とU型(成人型)糖尿病の関係を見ると、イギリスでは出生体重3800gの赤ちゃんが一番発症が少なく、それより大きくても小さくても発症率が上昇することが証明されました。 胎児期に低栄養・過量栄養にさらされると、その劣悪な胎内の環境で生き抜くために遺伝子が変化して適応します。しかしその変化は栄養状態が良くなっても元に戻らず続くため成人病が発症します。さらに恐ろしいことにはこの遺伝子の変化は次の世代にも遺伝していくというのです。 以前から日本では「小さく産んで大きく育てる」ことが良しとされ、妊婦さんの体重増加をかなり厳しくセーブする指導が行われてきたようです。また若い女性の間に極端なやせ願望があることも事実です。受精卵は着床と同時に激しい細胞分裂を開始します。この激しい受精卵の変化は、着床した環境から大きな影響を受けます。ですから妊娠前から良好な栄養状態を作っておくことがとても大切です。 妊婦さんはもちろんのこと、妊娠可能な年齢の女性は、日頃からバランスの良い食事を心がけ、極端なやせ状態にならないように気をつけて下さい。特に遺伝子の代謝に関連するとされる葉酸・ビタミンB12・B6・亜鉛などが不足しないようにしましょう。 成人病になりにくい体質は、お子さんのすこやかな生涯への何よりのプレゼントです。プレママさん、がんばって! |
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