このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
麻疹ワクチンについて | |
2008-01-10 更新 | |
昨年の春、首都圏の大学生から始まった麻疹の流行は、皆さんのご記憶にも新しいことと思います。新潟県でも数年前、高校生を中心に麻疹が大流行したことがありました。 麻疹は古くは「命定め」といわれ、幼い命を奪う恐ろしい病気でした。医学が進歩した今日においても、このことはかわりません。 近年の全国的な青少年の麻疹の流行を受けて、厚生労働省は来年度から(平成20年4月から)中1、高3を対象とした麻疹風疹ワクチンの定期接種を5年間の期限付き措置として行う方針を発表しました。 なぜ最近、麻疹が流行するようになったのでしょう。ワクチン接種後95%の方でいったんは十分な免疫がつくといわれています。十分な免疫ができた場合も、ワクチン接種後10年くらいするとその効果は次第に弱くなります。以前は麻疹の患者さんがときどきおられたため、ワクチン接種後、まだほぼ十分な免疫があるうちに、天然の麻疹ウイルスとの出会いがあり、その都度麻疹ウイルスに対する免疫力がさらに強まる現象(ブースター効果)が見られました。 しかし麻疹ウイルス撲滅にむけての努力が少しずつ実を結び、天然麻疹がほとんど見られなくなってきた近年はこのブースター効果が得られにくくなってきたため、ひとたび麻疹が発生するとまたたくまに拡大してしまうようになったのです。 現在の小1生以下のお子さんは、2006年に開始した麻疹風疹ワクチン2期の制度が適応されているので概ね大丈夫ですが、小2以上のお子さんでは麻疹単独ワクチン1回の制度でしたので、このお子さんたちにも2回目を公費で接種するということになったのです。この5年間の措置により、2012年度には23歳以下のすべての方が麻疹ワクチンを2回接種してあることになります。 麻疹は死にに至ることもある恐ろしい病気です。2回目のワクチン接種の義務というよりは、「無料でワクチンを受けることができる権利」と考えて、積極的にワクチンを受けてください。 |
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