このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
お子さまの病気ひとくちメモ<RSウイルス感染症> | |
2011-09-25 更新 | |
最近、外来でも迅速検査が簡単にできるようになったウイルスにRS(アールエス)ウイルスがあります。 平たく言えば、主に秋〜冬にはやる熱、咳、鼻水の風邪のウイルスです。 「なーんだ、ただの風邪ウイルス?」と思われると思いますが、2歳以下の乳幼児ではしばしば上気道炎から下気道炎に進展して細気管支炎、肺炎を発症し、急激に重篤になることもあり、注意が必要です。 母体からの移行抗体だけでは感染防御は不十分なため、6ヶ月未満の乳児も感染・発症します。 日本では2歳までにほぼ100%が初感染をうけると考えられます。 はしかやみずぼうそうのように、2度かかりなしの完璧な免疫はつかないウイルスで、生涯何度でも感染します。 しかし繰り返すごとに症状は軽くなり、おとなではただのカゼで済むようになります。 @感染源;周囲の大人や年長児、保育園 A潜伏期;2−5日 B流行期;秋から冬に多い(もちろん真夏でもあります) C感染経路;ウイルスの付着した手指から目・鼻・口を経て接触感染するか、せきで飛び散ったウイルスが気道を経て飛沫感染 D症状;幼児/学童・・・熱、咳、鼻汁、咽頭痛 乳児・・・細気管支が細くて柔らかいので細気管支炎を起こしやすく、ぜん鳴、多呼吸、呼吸困難、無呼吸発作が出ることがあり早期の受診が必要です。 E合併しやすい病気;中耳炎、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎 F予防;頻繁な手洗い、洗顔、うがい、マスクの着用。消毒用アルコールを適宜使用。 <おうちの方へ> @感染即発症ではありません。 日頃から、保温、保湿、安静、水分補給、バランスのとれた栄養、充分な睡眠をとるなど基礎体力の充実に努めましょう。 A以前、乳児期にこの病気にかかると喘息になると言われていた時期がありました。 しかしこの検査が広く行われるようになってから少し別の見方がなされてきています。 すなわち、これが原因で喘息発症というのではなく、もともと気管支の敏感な(広い意味で喘息傾向があるということ)体質を生まれつき持っているお子さんでは、このウイルスで典型的なRSウイルス感染症症状を起こしやすいということです。 B赤ちゃんでは、せきが出てゼイゼイというぜん鳴が起こるようになり、呼吸困難や顔色が悪くなり哺乳量が減ってきたら要注意です。 とくに早めの受診をおすすめします。 |
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