このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
おすすめ絵本「いのちのいれもの」 文;小菅正夫 絵;堀川真 | |
2011-03-26 更新 | |
震災の影響でしばらくメルマガも自粛していましたが、解禁のお達しがきました。 今日は久しぶりにおすすめ絵本といきましょう。 先日の休診日に絵本遠征に出かけてきました。 見つけました!その名も「いのちのいれもの」。 著者は、あの有名な旭山動物園の名誉園長さんの小菅正夫さんです。 舞台はもちろん旭山動物園。 お父さんの転勤で旭川に引っ越してきたトコちゃんが主人公。 お友達といっしょに動物園を見学に。 元気に子育てをしているたくさんの動物たちに混じって、ちょっと気がかりだったのが、アムール虎のイチ。 眼を閉じて動こうともしません。 トコちゃんはお家の人ともう一回イチを見に行きました。 するとそこには「喪中」の立て札が・・・。 肝臓がんで亡くなってしまったのです。 「イチは死んでどこへ行ってしまったの?」 涙ぽろぽろのトコちゃんに動物園の園長先生はこんなお話をしてくれました。 トコちゃんはお父さん、お母さんから、そのお父さんは、そのまたお父さん、お母さんから・・・。 命のつながりをたどっていくと、40億年もの昔にたどりつきます。 すべての命は、40億年つなぎ続けたかけがえのない作品です。 そう、命は自分だけのものではありません。 命というこの輝く作品を、どんなつらいときも投げ出すことなく、必死になって次のいれものに託そうとがんばってきた歴史が、生命のつながりです。 赤ちゃんを産み育てることは、もちろん命のリレーそのもの。 また、赤ちゃんを育てることだけではなく、それぞれのいのちを最後の最後まで一生懸命生きて輝かせること、これもすてきないのちのリレー。 いのちのいれものを使って、自分だけのものではない自らの命を全うすること、これこそが生きる意味であり、みんなで命をつなぐということなんだよ。 子育て真っ最中のお父さん、お母さん、毎日お疲れのことと思います。 でも、この何気ない子育ての日々のやり取りも、40億年の歴史の重みを持つのバトンの受け渡しのため・・・と思うと何だかちょっとすてきじゃありませんか。 どんな状況下にあっても、いのちの輝きの灯が消えないように、たんたんと生きること、これこそがすべての命の生きる意味なのだと、動物たちは教えてくれているのかもしれません。 クリニックにおいてあります。 お手にとってご覧下さい。 |
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