このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
子育ての元気が出る1冊「だからこそできること」 著;乙武洋匡×武田双雲 | |
2012-06-16 更新 | |
「五体不満足」で有名な乙武洋匡さんが、書道家の武田双雲さん対談した本が出版されました。 その題名「だからこそできること」。 体の大きなハンディキャップにもかかわらず、つねに新しいことにチャレンジし、いきいきと活躍される乙武さん、少し前には小学校の先生も経験され、子育てへのお考えもとても深いものがあります。 斬新な創作活動で知られる武田双雲さんとの歯に衣着せぬ本音の対談は、とても読み応えがありました。 この本の題名は、双雲さんの以前の著書で紹介されて大きな反響があったことばからとったとのこと。 双雲さんいわく、 自分が失敗したり、苦境に立った時、その状況に「だからこそできること」を振りかけてみる・・・たとえば 不況で大変→「だからこそできること」 仕事で失敗→「だからこそできること」 という具合。 このように自分の現状を表すいろんな言葉に「だからこそできること」を続けることで、自分のやるべきことが見えてくると双雲さんは語ります。 これを育児真っ最中のママに置き換えてみましょう。 子育ては、誰にとっても、ぴったりのマニュアルのない嵐の中の航海のようなもの。 予想外の変化球がビュンビュン飛んできます。 食物アレルギーで離乳食が難しい カゼばかりひいて保育園は半分休んでいる こどもの病気のためにママも欠勤が目立ちがち などなど、子育ては抜き差しならない課題が満載の毎日です。 確かに現状は厳しいかもしれません。 でもそこで止まっていては何も起こらない・・・ そこで登場するのが、この魔法のフレーズです。たとえば、 食物アレルギーで離乳食がむずかしい→「だからこそできること」 と続けてみましょう。 食品添加物について勉強し、より安全な食材を選ぶ 食材を厳選しできる限り手作りする などなど、食物アレルギーがなければ立ち止まって考えることもなかったであろう重要な視点が視野に入ってきます。 この言葉の魔法は、「すべての出来事には意味がある」ということを私たちに気づかせてくれます。 この点について乙武さんは次のように発言します。 「みんな手足くっついて生まれてきているのに、自分だけすごい確率で手足がなく生まれてきたんだなあと。それが僕だったというのは何か意味があるのかなあと思って。」 「一見マイナスに見えるけれど、角度を変えるとすごくプラスになってくるというのは、どんな人でもあてはまることだと思うんです。いかに自分が今マイナスだととらえていることでも、違う方向から眺めてみればプラスに持っていける。それができるかどうかが大切なんです。そこに自分に自信を持ったり、自分の人生を豊かにしていくヒントが隠されているのかなと思いますね。」 この境地に至った乙武さんは、持ち前のパワーで、次のメッセージを伝える使命を自覚したと語ります。 「みんなちがって、みんないい。いろんな人がいてあたりまえなんだ。」 「マイナスに見えること、一見欠点に思えることだって、どこかいいところがあるかもしれない。そういう姿勢でいられれば、自分の役割を見出すことだってできるし、それが自己肯定につながり、自分の幸せを見つけるきっかけにだってなると思うんです。」 子育ては良いとこ探しの旅、一見困ったなあと悩んでしまうお子さんの現状は、意外に大きな飛躍のためのヒントなのかもしれません。 いや、そのように考えて前向きな一歩をお子さんとともに踏み出してあげられるのがママの離れ業、お子さんのつまずきに新たなヒントを与え、小さな進歩をともに喜んであげてください。 最後に以下の曲をプレゼントします。 先天的視力障害を持ちながら世界中で大活躍のピアニスト辻井伸行さんの作曲/演奏「神様のカルテ」です。 その澄んだ音色と清らかなメロディーには定評があります。 伸行さんのたぐい稀なご才能はもちろんですが、彼をここまで根気づよく育まれたご両親の限りない愛にはまさに奇跡を感じます。 ↓ http://www.youtube.com/watch?v=bnNaNsGf2e0 |
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