このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
風疹って怖い病気? | |
2012-08-18 更新 | |
最近、関西や首都圏での風疹の流行が問題になっています。 お盆の帰省ラッシュで、日本中の人口の移動があったので、全国に流行が飛び火しないか心配です。 風疹そのものは、たいして重い病気ではありません。 発熱、発疹、リンパ節腫脹くらいが主な症状で、数日で治まるので、カゼより軽いくらいです。 ではなぜ流行がこんなに問題になるかというと、妊婦さんが妊娠初期にかかると、先天性風疹症候群(CRS)を発症して、赤ちゃんに重い障害が引き起こされることがあるからです。 CRSの主な症状は、先天性心疾患、難聴、白内障(3大症状)であり、他にも網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などいろいろな症状があります。 3大症状のうち心疾患と白内障は、妊娠初期3ヶ月以内の感染で引き起こされますが、難聴は次の3 カ月の感染でも出現し、しかも、高度難聴であることが多いといわれています。 現在風疹は、麻疹風疹ワクチンとして1歳と年長で接種していますので、この制度になってからのお子さんは、大人になってもしっかりと麻疹にも風疹にも抗体がある状態を維持できるといわれています。 また以前は、風疹ワクチンを、1977年から中学生女子全員を対象に学校で集団接種していました。 その後1995年4月の法律の改正で上に述べたように、1歳と年長での接種方式に変更になったので、1995年4月当時に7歳半以上中学卒業直後までの1979年4月〜1987年10月生まれの世代が『風疹ワクチン谷間世代』となってしまいました。 この人たちは予防接種が努力義務となったため接種率が特に低くなっているのです。 ちょうどこの世代が現在、小さなお子さんのパパ、ママの世代にあたっているので、特に注意が必要なわけです。 また風疹は、それと良く似た発疹が出るいくつかの疾患があるため、かかったつもりでも免疫がないことがよく見られます。 上に述べた谷間世代はもちろん、それ以外の年代の方も、これからお子さんをご希望されているママ(と、プレママ)は、できればパパ(と、プレパパ)も、しっかり風疹への免疫をつけておくことが望まれます。 抗体検査はいつでも可能です。 外来にお気軽にご相談下さい。 なおワクチン後は3ヶ月避妊が必要です。 |
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