このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
「うちの子は小食?」について考えます | |
2014-03-09 更新 | |
「うちの子はさっぱり食べてくれない」そういう相談を外来でもよくいただきます。 今回は「うちの子は小食?」について考えます。 @ほんとうに食べ足りない? おとなでも食事量には個人差がありますね。こどもでも同じこと。 おとな顔負けのお弁当をぺろりと平らげることあれば、小さなお弁当で満足というお子さんもいます。 元気で活き活きと動き回れて、小さめでも標準曲線のカーブに沿って、その子なりの体重の増加が見られれば、大きな問題はありません。 反対に、いつもごろごろだるそうにしていたり、標準曲線のカーブからどんどん下にそれているようであれば、かかりつけの先生に相談してみましょう。 A食べムラがあるのはこどもの常! こどもはおとなのように毎食バランスよくというわけにはいきません。 その時の気分や体調にも左右されます。 おもしろい遊びに心がうつっていたり、眠すぎたり、疲れすぎたりでは、食事にも気乗りがしません。 「10ヶ月ころは、ぱくぱくと作ったものをみんな平らげてくれてたのに、最近はさっぱり・・・」とこぼされるママがときどきおられます。 乳児期は「食べること命!」だったお子さんも、1歳半くらいになると、遊びや運動に大活躍の時期になるため、いわば「食べることは二の次」になってきます。 これもお子さんの大脳の活動のしるし、そういう時期もあるのです。 ですから、幼児期のお子さんの食べムラについては、最低限、次のように「3」をキーワードに考えましょう。 つまり、3食で1食しっかり食べていればOK、3日に1日しっかり食事ができていればOKなのです。 「毎食バランスよくきちんと」とまではいかなくても、まずまず大丈夫、あまり細かく心配せず、ゆったりと考えて下さいね。 Bきちんと空腹を作る工夫がなされていますか? こどもは自分のからだに正直ですから、おとなのように、大しておなかが空いていないけど、時間だから食べておく、といいうわけにはゆきません。 「空腹は最高の調味料」 こどもにしっかり食事を摂らせるには、「空腹を作る工夫」が必要です。 お腹が空いていれば、すききらいも激減します。 空腹は、胃袋が空っぽだから感じるのではありせん。 血糖値の低下を脳の空腹センサーが感じて「おなか空いた〜〜」となるのです。 食事時間前2時間を過ぎたら、飲み物も含めカロリーのあるものは与えないようにしましょう。 「食事前2時間を過ぎたら、水かお茶だけ」 これはしっかり守りましょう。 おやつは、食事前2時間より前に、次の食事にひびかない量を少なめに与えましょう。 牛乳も、与えるようであれば、食事時2時間より前にして下さい。 ジュースも血糖がすぐにがっつり上がってしまいます。気をつけましょう。 幼児期以降は、おいしく朝ごはんに臨むためにも、朝起きてすぐのジュースやミルク、母乳は、控えましょう。 夕食前も、帰宅時におなかぺこぺこで、おかしなどをねだられがち。 でもそこで、「クッキーとジュース!」をあげてしまうと、夕食には見向きもしてもらえません。 そこは、小さなみかん1個程度にしておいて、夕食まで待たせましょう。 朝ごはん時の空腹作りのために、夜食や夜おやつもひかえて下さい。 くれぐれも、小さなお子さんは、少しの間食、わずかなジュースなどでも血糖値がすぐに上昇して、食欲が落ちてしまうということをお忘れなく。 C食事は楽しい雰囲気の中で! 食の細いこどもは、「食べろ、食べろ」と言われると、それだけでげんなりし、食事が拷問の時間になり、ますます食べなくなります。 まずは、楽しい雰囲気を作ること。 あくまで「食事を楽しむ」スタンスが大切です。 テレビ、ビデオを消して、ご家族そろって、楽しく食卓を囲みましょう。 こどもは、基本的に、初めてのものには警戒します。 パパ、ママが、「これ、おいしい〜〜」と、おいしそうに食べると、こどもも「そうか、これおいしいんだ!」と、挑戦する意欲もアップします。 残念ながら残してしまったときも、けっしてしかるのではなく、「また、次には食べてみてね」と声がけを。 D食事の支度にお子さんを参加させましょう! 自分で包んだ餃子、並べたサラダ、家庭菜園でとれたトマト、保育園で掘ってきたサツマイモなどなど、作る過程で参加したメニューには、お子さんも思い入れがひとしお、よく食べてくれます。 お手伝いを積極的にしてもらったり、家庭で作物を育てる楽しみをご計画されてはいかがでしょう。 E食べやすいメニューも工夫して! バランスよく何皿も平らげてくれにくいときは、一皿でエネルギー、タンパク質、野菜などが簡単に摂れるメニューを工夫しましょう。 特に朝などは、具だくさんのおじや、リゾット、チャーハンなど、お子さんの食べやすいものを作ってあげるのも良いと思います。 お子さんにしっかり食事をとってもらうには、それなりの工夫が必要です。 しっかり空腹を作って、楽しい雰囲気のなかでのお食事タイムを目指しましょう。 |
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