このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
妊娠中、授乳中からできる、お子さんのアレルギー予防 | |
2012-06-09 更新 | |
これまでに多くの研究がなされてきましたが、おなかの赤ちゃんのアレルギーの発症を完全に予防する方法は、まだ見つかっていません。 ですから、少しでも危険性を低くするいくつかの方法を地道に積み重ねることが大切。 パパ、ママがアレルギー体質、上のお子さんがアレルギー体質など、次の妊娠では、アレルギー予防にちょっと力を入れてみようというママのためのアドバイスです。 @化学物質を極力避ける アレルギーという反応も、外界の異物から体を守るための免疫反応の1つ。 ただこの反応が体に役立つように正しくコントロールされていず、反対にからだに不利益をもたらしてしまうということです。 免疫反応の正しいコントロールに悪影響を及ぼす可能性のあるものが、食品や環境中の化学物質です。 おなかの赤ちゃんの免疫臓器は、妊娠のごく初期にその原型が形作られます。 化学物質の多くは油に溶けやすい性質をもっているので、かなり長期間体内に蓄積されます。 たとえば有名な有害物質であるダイオキシンは、体内で半分になるのに2〜10年かかるといわれています。 ですから元気な赤ちゃんを産めるように、とくに女の子は小さい頃から化学物質の摂取に注意してあげる必要があります。 最低でも、妊娠の可能性のある女性は、農薬、食品添加物、食品に混入するダイオキシンなどを極力摂取しないように心がけましょう。 その他にも、大型魚の有機水銀、魚脂、貝類、イカの内蔵などに含まれる有機スズ化合物、ひじきのヒ素なども気をつけてください。 吸い込む有害物質もあります。 トルエンなどの有機化合物、防虫剤、殺虫剤、排気ガス、タバコの煙、香料などからは、極力遠ざかりましょう。 Aトランス脂肪酸を摂取しない マーガリン、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、からだにとても有害です。 アメリカでは、有害物質の扱いとなっているほどです。 この物質は、からだの細胞膜の正常な機能を乱したり、正常な体の反応を傷害することで、神経、免疫、内分泌も含め胎児の正常な発達を阻害します。 また、牛など反芻動物の肉や乳には、腸内細菌によって作られる天然のトランス脂肪酸が含まれます。 日本人のように歴史的にまだこれらの肉、乳の摂取に慣れていない民族では、とくに悪影響が大きいと思われます。 妊婦さんはカルシウム摂取のために牛乳をたくさん飲むように指導されることが多いと思いますが、アレルギー予防の側面からは、カルシウム摂取を牛乳だけからとするのは、やや危険です。 実際、妊娠中にカルシウム摂取のため!とがんばって、どっさり牛乳を飲んだお母さんから生まれたお子さんは、食物アレルギーの発症が多い傾向があるといわれています。 カルシウムは野菜にも多く含まれています。 同じ野菜でも、効率の良いものとそうでないものがあります。 シュウ酸を多く含むほうれん草は吸収率が悪いのですが、ケールなどシュウ酸の少ない野菜は、むしろ牛乳より吸収が良いといわれています。 カルシウムは乳製品に偏らず、野菜や小魚からも摂取するように心がけましょう。 B同じものばかりを食べない からだに良いからといって、同じものばかりを食べているとアレルギーを起こしやすくなります。 米を中心に、味噌、しょうゆ、豆類、野菜をきちんと摂取し、海草ではヒジキは避けて他の海草はほどほどに摂りましょう。 汚染がある魚貝・乳製品・卵・獣肉の過量摂取注意して、いろいろな食材を回転させ、バランスのとれた和食を心掛けましょう。 ピーナツなどのナッツ類、ゴマ、ソバなど、種を食べる食品は控えめが安心です。 C加熱調理を心がける 同じ卵でも、完全に加熱したものはアレルギー性が低下します。 タンパク質は必ず加熱して食べましょう。 生卵、刺身、生の魚卵は控えましょう。 Dママの腸内環境を整えましょう 腸内環境を整えることもアレルギー予防に大切。 食物繊維や、ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、塩こうじ漬けなどの微生物を利用した食品、善玉菌を増やすオリゴ糖などを積極的に摂りましょう。 妊婦さんと同時に、授乳中のママにも、以上のアドバイスは共通です。 ママの食事の注意で、お子さんのアレルギー予防を! |
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