このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
テレビ・ビデオの長時間視聴と言語発達 | |
2010-08-22 更新 | |
テレビ・ビデオ(以下テレビと略)を長時間見る子どもは、言葉の発達をはじめとする精神機能の発達に遅れが出るという興味深い報告があります。 報告の内容は以下の通りです。 いずれも1歳半健診で、意味のある単語出現に遅れのある子どもが、 @1日8時間以上テレビを見る家族で1日4時間以上(長時間)見る子どもは、そうでない子どもの2倍。 A1人で長時間テレビを見る子どもは2.7倍、親子で見ても1.5倍。 B日常の声がけの少ない家庭で長時間見る子どもは、4.3倍。 テレビ・ビデオなどのメディアは多くの役立つ情報を発信する一方、メディアとの接し方を誤ると、幼い子どもの精神発達に大きな悪影響を及ぼします。 乳幼児の言語・社会性の発達には、双方向のコミュニケーションが必要です。 お子さんに話しかけ、お子さんから返答が返ってくる、この積み重ねが、言語コミュニケーション能力を啓発しているわけです。 ところが、核家族・少子化で、家庭内の会話は残念ながら確実に減っています。 そこにメディア漬けの日常が、拍車をかけています。 テレビ視聴中は大人でも会話が激減しますね。親子でも同じこと。 テレビは親子の対話のきっかけになる素材は提供してくれますが、テレビに見入ってしまうと、会話と言うよりつぶやきのような極端に短い1語文が増加します。 さらにその後の研究で、1歳半時点で長時間視聴による言語社会性の発達の遅れの見られた子どもは、6-7歳時における読字力、読解力、算数能力、数の記憶力が低いことがわかりました。 そこで小さなお子さんのいるご家庭では、以下のことを心がけてください。 @2歳以下の子どもにはテレビ・ビデオを長時間見せない。 Aテレビは付けっぱなしにしない。 B乳幼児にテレビ・ビデオを1人で見せない。 C授乳中や食事中にはテレビ・ビデオを付けない。 D幼児のころからテレビ・ビデオ視聴の家庭のきまりを作る。 E子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かない。 そして可能なら、ご家庭でノーテレビ・ノーゲームの時間帯や曜日を決めるのもおすすめです。 子どもは遊びの天才。 ノーメディアのひとときを、クリエイティブなあそび時間として活用することでしょう。 また親子で楽しい絵本タイムにしてもすばらしいですね。 きっと別世界がひらけることでしょう。 |
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