このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
VPDを知っていますか? | |
2009-08-16 更新 | |
VPDとはVaccine Preventable Diseasesの略で、「ワクチンで防げる病気」のことです。世界中には、とてもたくさんの感染症が存在します。その多くはワクチンがまだ開発されていず、有効な予防手段がありませんが、先人の多大な努力のおかげで、いくつかの病気ではワクチンによる予防が可能になっています。これがVPDです。 「ワクチンさえ接種していれば・・・」という残念な思いを、小児科医であればほとんど必ず経験します。かかると治療が難しかったり、命にかかわる合併症がおきる可能性のある病気だからこそ、ワクチンが作られたのです。 日本は、医療先進国であるはずなのに、欧米などの国にくらべて、大変多くの子どもたちがVPDにかかって残念な結果になっています。 その原因は、 @接種率が低いこと A欧米では実施されていても日本では許可されていないワクチンがあること です。 Aは、やむを得ませんから、@については、おうちのかたが正しい知識を持ってお子さんにきちんと適切な時期にワクチンを受けさせるようにしましょう。 現在日本で通常実施されているワクチンは 公費のもの;三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)、麻しん、風しん、ポリオ、BCG、日本脳炎、 自費のもの;みずぼうそう(水痘)、おたふくかぜ、ヒブワクチン です。 予防接種は、その病気にかかる前に受けるもの。 かかってしまってからでは遅いのです。 病気はいつかかるかわかりません。 公費のものは、接種可能月齢になったらすぐに接種できるよう早めに申し込んでおきましょう。 @三種混合;百日咳はときどき流行します。無呼吸発作や脳症などの重症化も見られます。三種混合は3か月になったらすぐ受けましょう。 ABCG;接種できる期間が満6か月未満と短いのでお忘れなく。 B麻疹風疹混合;麻疹は極めて重い病気です。麻疹風疹混合ワクチンは1才になったらすぐに1回目を受けて下さい。2回目は年長組です。(移行措置で中1、高3) C日本脳炎;新しいワクチンができました。今年は7才半未満の年齢制限があります。可能な年齢のお子さんは必ず受けましょう。 Dヒブワクチン;昨年末から始まったワクチンです。諸外国では、10年以上も前からヒブに対するワクチンを定期接種として接種し、ヒブによる深刻な病気は100分の1程度に激減しました。日本ではまだ自費のワクチンですが、ヒブ(Hib)による髄膜炎・敗血症・喉頭蓋炎は非常に重篤です。できるかぎり接種しましょう。このワクチンは他のワクチンと同時接種が可能です。ご相談下さい。 Eおたふくかぜ;無菌性髄膜炎がかなりの頻度で発生します。またおたふくかぜ難聴も従来言われていたよりもかなり頻度が高いことがわかってきました。この難聴は治療法がありません。自費ワクチンですがぜひ接種されることをおすすめします。麻疹風疹の4週間後がよいでしょう。 F水痘;感染力も強く、かかると1週間ほど欠席になります。また40℃に及ぶ高熱が続いたり、脳炎をおこしたりすることもあります。おたふくかぜの4週間後に接種しましょう。 かわいいお子さんの大切な命を守るワクチン、あとで後悔しないように、早めにきちんと受けさせてあげてください。 |
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