このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
こどもの夏かぜ | |
2008-07-17 更新 | |
●こどもの夏かぜにはどんなものがありますか。 暑い夏に流行するお子さんの病気の代表的なものとして、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱、エンテロウイルスによる夏かぜなどがあります。 ●それぞれの病気について簡単に教えてください。 1)手足口病;原因ウイルスはコクサッキーA16、A10,エンテロウイルス71などのエンテロウイルスです。乳幼児に多く見られます。潜伏期は3〜5日で、咳やくしゃみを吸い込んでの飛沫感染、便中のウイルスによる経口感染、水疱からの感染もみられます。名前の通り、手のひら、足の裏を中心に、肘、膝、おしりにも小さな水疱や赤いぷつぷつが出てきます。口の中にも同じような水疱ができるため、食事のときにとても痛がります。発疹は1週間ほどで治ります。10%ほどのお子さんでは発熱も見られますが多くは37〜38℃程度で1〜3日で下がります。時に、無菌性髄膜炎を起こすことがありますので、発熱にともなって激しい頭痛や嘔吐が見られたときは早めに医療機関を受診しましょう。 2)ヘルパンギーナ;原因ウイルスはコクサッキーA4,A10,A6やエコーウイルスなどのやはりエンテロウイルスです。4才くらいまでの乳幼児に多く、2〜4日の潜伏期ののち、突然39℃くらいの高熱が出て、同時にのどの奥に小さな水疱がたくさんできます。のどの痛みがとても強く、つばも飲み込めなくなり、よだれが多くなります。数日で熱も下がり、1週間ほどでのどの水疱もなくなります。 3)咽頭結膜熱;原因ウイルスはアデノウイルスです。潜伏期は1週間ほど、突然39〜40℃の高熱が出て、のどが赤く腫れて痛みます。典型的な場合は目の充血、目やにも伴いますが、全く目の症状が見られなくても、のどの検査でアデノウイルスが検出されればこの病気です。咳、鼻水、鼻づまりなどのカゼ症状や下痢を伴うこともあります。熱は4〜5日でおさまってきます。別名プール熱ともいわれますが、プールを介しての感染だけでなく、1年中流行が見られます。 4)エンテロウイルスによる夏かぜ;原因ウイルスはコクサッキーウイルウやエコーウイルスなどのエンテロウイルスです。突然の高熱、頭痛で始まります。下痢を伴うこともありますが、咳や鼻水はほとんどみられません。この病気の特徴は夏かぜ髄膜炎を引き起こしやすいことです。高熱・頭痛に伴って何度も繰り返し吐くときは注意が必要です。 ●お子さんの夏かぜのケアで、おうちで注意することはありますか。 暑い季節の発熱でお子さんもとっても消耗します。次のポイントに気をつけてケアしてあげてくださいね。 1)水分補給;発熱しているときは体から水分が失われやすい状態になっています。夏かぜでは、口の中を痛がる病気が多いので、さらに水分をとらせにくくなります。すっぱくないジュース、子ども用イオン飲料、麦茶などをこまめにとらせてあげてください。いつも通りおしっこが出ているかがチェックのポイントです。 2)お食事;いつも通り食欲があれば、お好みのものを普通どおりあげてください。下痢気味のときは、油ものは避けましょう。よく火の通った柔らかいものがいいですね。離乳食進行中の赤ちゃんでは2ヶ月くらい前のステップに戻してあげて下さい。食欲がないときはゼリー、プリンのようにのどごしのいいデザート系でもだいじょうぶ。数日くらいなら栄養のバランスはあまり気にせず、とにかく食べてくれるものをご機嫌のいいときにあげてください。水分がとれていておしっこがよく出て、ご機嫌がまずまずなら心配ありません。お熱が下がったら食欲も回復してきますよ。 3)衣服・室温;お子さん本人が気持ちいいことがいちばんです。お子さんの体力の消耗を少なくするためにも適度にエアコンは使ってあげてください。ただし冷やしすぎは禁物。27℃くらいの設定にしておきましょう。衣服やふとんは、「熱の上がりはじめで手足が冷たく寒気があるときは暖めて、熱が上がりきって暑がるときは涼しく」が基本ですが、汗を吸い取ってもらうためにも、ランニング程度の下着は必ず着せてあげてください。ノースリーブ・短パンのような露出部分の多すぎるパジャマは汗の吸い取りが不十分になるので避けましょう。 4)クーリング;お子さん本人が気持ちがいいのなら、冷えピタなどで冷やしてあげるのもよいですが、いやがるのなら無理して冷やす必要はありません。 5)お風呂;食欲があってご機嫌が良ければ、微熱程度で入浴させることはまったく問題ありません。ぐずぐずしてだるそうにしているときや、おしっこの出が悪いときは、お風呂はひかえてゆっくり休ませてあげてください。 6)脱水・髄膜炎にご用心!;半日以上おしっこが出ないときは脱水症状が心配です。「発熱・激しい頭痛・繰り返す嘔吐」のトリプルパンチのときは夏かぜ髄膜炎も考えられます。これらの症状が見られたら、医療機関に早めに相談を! ●夏かぜを引かせないための注意するポイントはありますか お子さんを夏かぜから守るためのいくつかのポイントをお話しします。 1)手洗い・うがい;夏かぜウイルスの飛沫感染、接触感染を予防するためにも、外から帰ったら手洗い・うがいを習慣づけましょう。 2)エアコンの使いすぎにご注意;暑い外から帰るとついつい設定温度を低くしてしまいますね。ある程度冷えたら27℃程度の設定に戻しましょう。寝室の冷やしすぎには要注意。ちょうど冷風の降りてくるところにお子さんを寝せないように配慮してあげましょう。 3)十分な睡眠・栄養;夜更かしして睡眠不足になると体力食欲が低下して免疫力も低下します。「たくさん遊んでたっぷり睡眠」で、体力をつけましょう。暑いからといって毎日そうめんとアイスの繰り返しでは、からだもまいってしまいます。冷たいものばかりが続くと胃腸の温度の低下をきたし、食欲不振や下痢を招きます。バランスのよいお食事を楽しく食べさせてあげてください。 お子さんと楽しい夏を! |
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