このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
B型肝炎ワクチンのおすすめ | |
2012-07-01 更新 | |
全世界では、約3億人がB型肝炎ウイルスに感染し、それに関わる病気で、毎年約60万人が死亡しています。 日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100 万人(約100人に1人)と推定されています。 B型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合は肝硬変や肝臓がんなどの 命にかかわる病気を引き起こします。 このウイルスに成人が感染した場合、約90%は急性肝炎として経過して治癒しますが、10%はウイルスを体内に持ち続ける状態(キャリア化)になり、そこから肝硬変、肝がんに進展する可能性が出てきます。また中には劇症化して早い経過で死亡することもあります。 小さなお子さんがこのウイルスに感染した場合、とくに3歳以下のこどもでは、キャリア化する確率が極めて高いとされています。 これまで日本の小児のB型肝炎対策は、ウイルスを体内に持っているお母さんから赤ちゃんへの感染(垂直感染)を防ぐことを中心に行われてきました。 ところが最近、父子間感染や、感染経路のはっきりしない小児の感染が多く報告されるようになりました。 低年齢からの集団保育が一般的となってきたことも感染のリスクを増大させていると思われます。 保育園ではこども同士の接触も濃厚で、遊びの中で傷が触れ合ったり、噛み付き合ったりすることも日常茶飯事ですから。 また、思春期の感染でもキャリア化しやすいB型肝炎のタイプ(ジェノタイプA)の感染が、わが国でも増加しているので注意が必要です。 一言でまとめると、B型肝炎ワクチンは、肝がんなど重篤な肝臓病のリスクを減らすためのとても大切なワクチンです。 欧米諸外国では以前から、三種混合などと同様に、すべてのお子さんが接種するワクチンになっています。 お子さんが肝硬変、肝がんなどの命に関わる肝臓病にかからないように、ぜひ接種をお勧めします。 3才未満で感染すると慢性化しやすくなりますので、早めの開始が望まれます。 早く接種すれば免疫もでき易く、将来の肝臓がんを効率よく予防できます。 通常は生後1〜2か月から接種を始めますが、遅くとも集団保育まえに接種するほうが望ましいでしょう。 他のワクチンとの同時接種も可能です。 十分な免疫を獲得するには2回目まででは不十分で、3回目の接種が大事です。 ワクチンの効果は10-20年前後とされていますが、できれば10-15歳頃に追加接種をすることが望まれます。 ご希望の方はお申し込み下さい。 |
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