このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
セロトニン神経を育んで、 こどもたちのしあわせ作り | |
2014-12-06 更新 | |
人間の日々の生活において困難やトラブルから大きなストレスを受けることは避けられません。これは大人も子どもも同じこと。そんなとき、いたずらに不安に陥り続けることにある程度歯止めを効かせることも大切です。 脳の中にはたくさんの神経がありますが、なかでもこども達の幸せ育てのために、小さなころから育んで頂きたい神経に、セロトニン神経があります。セロトニン神経が担当している心の働きは、不安や恐怖を前頭葉につないで、「大丈夫大丈夫」という安心の心に変えるはたらきです。セロトニン神経がしっかり育まれていれば、状況を的確に判断して解決方法を考えだすことができるのです。 たとえば、運動会のリレーで速く走れず、友達に嫌みを言われた場合「もうだめ、どうしよう、不安だ!」と。どんどん落ち込んでしまうこともあります。しかしセロトニン神経がよく育まれていれば、「よし、来年はがんばるぞ。今日からランニング!」と、前向きな解決方向を見出したり、「あの子は僕を責めなかった、今度はあの子と仲良くすればいいさ!」と発想を変えることもできるのです。 セロトニン神経がしっかりしている限り、不安やストレスは必ずしもマイナス要因だけではありません。不安があるから努力する、人との交わりを工夫するなど、こども達の育ちのきっかけとすることもできるのです。 では、セロトニン神経を鍛えるにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょう。それはずばり、普通の生活を規則正しく行うことです。そのための5つのポイントを挙げてみます。 @朝日をしっかり浴びる セロトニンは朝5時から7時に分泌が高まります。この時間帯に目から太陽の光が入ることで、脳の視交叉という部分が刺激され、セロトニンの分泌がより刺激されます。朝日が昇る時間帯にちゃんと目覚めて、しっかりと目の中に太陽を入れることが、脳内のセロトニンを増やす秘訣です。朝の光は脳育てにとっても大切なんです。 A質と量が整った睡眠をとる セロトニンは、夜深い睡眠にあるとき、朝ほどでは有りませんが、分泌されます。脳育てには起きている時間以上に寝ている時間が大切です。人間は夜行性のカブトムシではありません。とくに脳育て期間中のこども達は、朝お日様が昇ったら起きて、沈んだら眠るというお日さまとともにの暮らしが大切です。ちなみに脳育てに必要な睡眠時間は、小学生で最低9時間、できれば10時間です。また成長ホルモンは、夜11時から午前2時ころに脳下垂体から分泌されますが、これも、夜10時には熟睡状態になっていないと分泌されません。そのためには9時には眠りにつくことが大切です。 Bバランスの良い食事をとる セロトニンの減量はトリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンはたんぱく質を多く含む食物に含まれているので、バランスの良い食事を取ることで自然とトリプトファンを摂取することが出来ます。 タンパク質には動物性(肉、魚、卵、チーズなど)と植物性(大豆、豆類、穀類など)のものがありますが、植物性タンパク質のほうが脳内でセロトニンの材料として利用されやすいといわれています。 納豆、豆腐、麩などは、日常的に摂取しやすい食品ですね。それ以外にも、補酵素として働くビタミンやミネラル、神経細胞の栄養源である炭水化物など、バランスのとれた食事が大切です。 Cリズミカルな運動を行う セロトニン神経を鍛えるためには、運動も大切です。筋肉をリズミカルに動かしているときに、脳内でセロトニンの分泌が多くなります。とくに一日で最も分泌量の多い時に朝日を浴びながら筋肉を動かすことが一番有効です。朝のお散歩などは最高なのでしょうが、お子さま達ではなかなか忙しくて難しいでしょう。せめて、お庭でラジオ体操、暗い冬の日には室内で明るく電気をつけてでも善いと思います。良く噛むということも大切です。噛むという動作は取りも直さず規則正しい筋肉運動ですから、よく噛むことで、セロトニンの分泌が促進されます。 Dスキンスップを心がける 体と心は密接に関連しています。スキンシップ、楽しいおしゃべり、マッサージ、髪をすく、撫でるなどのふれあいは、セロトニンの活性化を促しストレスから体と心を守る上で大切です。 このようにみてくると、こどもの体と心の育ちには、当たり前の生活リズムをきちんと繰り返すことがいかに大切かがわかります。 夜は早く寝かせて、朝は早めに起こし、朝食をしっかり摂らせる、そして昼間は元気に活動するという人間らしい暮らしの基本を、脳にしっかり刻み込みましょう。 |
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