このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
恐ろしいおたふくかぜ難聴 | |
2009-04-13 更新 | |
おたふくかぜによって難聴が起きることをご存じですか。最近の統計によるとおたふくかぜにかかった方1000人に1人というかなり高い頻度で発生していることがわかってきました。全国で毎年700〜数千人のおたふくかぜ難聴の患者さんが発生していることになります。 おたふくかぜ難聴はおたふくかぜの重症度とは全く関係なく発生します。もともとおたふくかぜは30%程度は不顕性感染(かかっていても症状がない)ですが、この不顕性感染でも難聴は生じることがあります。 おたふくかぜ発症の数日前から発症1週間以内に急激に発症します。多くは片側ですが両側のこともあります。成人ではめまいや耳鳴りなどを伴うことも多いのですが、小児では聴力低下のみのことがほとんどで、多くは片側のため、難聴の発生に周囲も本人も気づかないことが少なくありません。お子さんがもしおたふくかぜにかかってしまったら、1日に1回、お子さんの耳元で指をこすり合わせて、こする音が聞こえるか試してあげてください。残念ながら有効な治療はなく、回復はほとんど望めません。 そこで予防のために大切なのがおたふくかぜワクチンの接種です。WHOの報告によると、おたふくかぜワクチンを含むMMRワクチンの定期接種を実施していないのは、先進27カ国のなかで日本だけです。世界的にはMMRワクチンの2回接種によりおたふくかぜの発症は極めて少なくなっており、当然おたふくかぜ難聴の発症もほとんど見られません。 おたふくかぜが決して軽い病気でないこと、おたふくかぜ難聴という重い合併症があること、合併症の予防にはワクチンがとても有効であることをしっかり認識して、おたふくかぜ難聴のお子さんの発生をゼロにしていきたいものです。1才で麻疹風疹のワクチンが終わったら、4週あけてすぐにおたふくかぜワクチンを接種しましょう。1才以上でまだのお子さんは早めに接種しましょう。 |
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