このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
「ゲームあそび」と「こどもの脳」 | |
2014-06-22 更新 | |
今回は、ゲームがこどもの脳に及ぼす影響について考えます。 ゲームは、瞬間的に判断して行動することが要求される遊びです。 画面上の「敵」を一瞬の迷いもなく撃ち落とすなどの行動が要求されます。 ゲームの没頭して、このような行動を繰り返し行っているとき、こどもたちの脳の中には、どんな変化が起きるのでしょうか。 通常、画面を見ることで脳の視覚を司る部分(視覚野)に入った刺激は、前頭前野という部分を通って、運動を司る部分(運動野)に指令が伝わり、指を動かして反応するという経路をとります。 ところが、ゲーム漬けの日々を送っているお子さんの脳では、より早い反応をするために、前頭前野を通らずに、視覚野→運動野という直結回路が形成され、前頭前野の活動は著しく低下します。 この低下具合は、高齢の認知症のかた以下になるといわれています。 このような傾向は脳波検査によってもはっきり表れます。 この変化がゲームをしている時だけでなく、ゲームを終えてからもずっと続いてしまうということがさらに問題です。 ところで前頭前野はそもそも何をしている場所かというと、それは「人間を人間らしくする」ことです。 人間が他の動物と比べて、特に発達している部分です。 学習に必要なワーキングメモリー、反応抑制、行動切り替え、計画性、推論、動機づけ機能、葛藤の解決など、人が人として生きて行くために大切な機能を担っています。 この部分の機能低下が、こどもたちの現在だけでなく、将来をも台無しにしてしまうとしたらちょっと恐ろしいと思いませんか。 ゲーム漬けの日々は、この直結回路を強化し続け、その結果、自分の行動を抑制する機能が全く働くことなしに、直情的に行動するようになります。 いわゆる「キレる」行動につながりやすくなります。 さらに前頭前野の機能低下によって、考えがまとまりにくくなったり、ゲームをしていない時間はボーッとしてしまうなどの変化がみられるようになります。 それでは、前頭葉の働きを活発にする小さなお子さんたちにおすすめの遊びは何でしょう。 それはズバリ指先を使うあそびです。 「けん玉」「おはじき」「お手玉」などなど、手先を器用に使うことが求められる遊びは、成長期のこどもに望ましい脳刺激をあたえてくれます。 何度も壊しては組み立てられるブロックなどもおすすめです。 積み木を慎重に高く積み上げるわくわく感も、脳にいい刺激を与えます。 このように現代のこどもたちを取り巻くメディア環境はとても厳しいものがあります。 困難を乗り越えてこれからの人生を切り開いてゆかなければならないこどもたちの脳を健やかに育むため、大人が正しく判断して与えてあげることも大切です。 <目標にしましょう> @3歳まではテレビ、ビデオを控える。 A授乳中、食事中は、テレビ、ビデオを見ない。 Bテレビ、ビデオ、ゲームあわせて1日1時間までに。 Cゲームは1日15分までに。 |
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