このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
思春期のお子さんとのコミュニケーション | |
2012-09-29 更新 | |
明るく素直だったわが子が、思春期に入るや、これがあのわが子かと思うほどに、態度も、言葉遣いも、服装も変わり果ててしまう・・・ そんなお子さんへの対応に、日々悩んでおられる親御さんもおいでのことと思います。 思春期は男の子が男性に、女の子が女性に変貌していく過渡期、次々と現れる自分自身の体の変化の激しさに、本人自身が自分を持て余している時期でもあります。 実際、思春期に吹き荒れるホルモンの嵐のせいで、情緒が不安定になる時期で、周りにとってだけでなく、本人にとっても、とてもしんどい時期なのです。 そんな難しいお年頃、うまくコミュニケーションするには、ちょっと一工夫が必要です。 @日常のあいさつ 親からのあいさつは、「いつも見守ってるよ」という合図。 子どもが返事をしなくても、根気づよく「おはよう」「おかえり」「おやすみ」と、明るく機嫌良く、できればお子さんの目を見て声がけしましょう。 返事がなくても、決して不快に思わず、また続けましょう。 A感謝の言葉をあらわして だれでも感謝されればうれしいもの。 とくに思春期は、自分を認めてもらえたということで、自分の存在価値を再認識し、とても気持ちが満たされます。 お子さんとの日常の中で、小さな「ありがとう」をたくさん見つけて、機会を逃さず言葉で感謝を伝えましょう。 Bまずは上手な聞き役に徹する 思春期の子どもが、親に悩み話をしてくれること自体、とてもありがたいことと思いましょう。 何か言いたそうな素振りがあったら、問いつめるというのではなく、「どうしたのぉ?」と、優しく声がけして受け入れる雰囲気を作りましょう。 お子さんが話し始めたら、明らかに間違っていると思っても、絶対に子どもの言葉を否定しないで、穏やかに相槌をうちながら最後までお子さんのいうことを聴いてあげましょう。 子どもは、話していることで、自分のこころを整理し、解決を探っています。 大切なことは、親が正解を示すのではなく、子ども自身に解決の糸口を見つけ出させること。 じれったく思うことも多いと思いますが、子どもは自分で見つけた結論には前向きに取り組むものです。 また、ほんとうに自分のこころを癒すことができるのは自分だけ。 お子さんが自ら語るうちに、お子さんん自身のこころも癒されていきます。 「どうしたのぉ?」「そうだったんだ・・・」「たいへんだったね。」と、受け入れて、寄り添って、お子さん自身が解決する機会をセッティングしてあげましょう。 C親御さん自身の失敗談を打ち明ける 子どもにとって1番身近なおとなである親は、もちろん子どもにとっての理想、お手本。 お父さんのように、お母さんのようにと、背伸びをしてがんばっているのです。 でもいつも上手くいくとは限らない・・・ そんなときに親が完璧な姿だけを子どもに見せていたら、とても子どもは息苦しく感じることでしょう。 素直に悩みを打ち明ける気持ちにもなれないと思います。 決して親も完全無欠な人間などではなく、欠点も、弱い部分もある存在だ、でもこうして何とかがんばれてるんだよというメッセージを伝えることができれば、親と子どもの距離はぐっと縮まり、悩みを打ち明けてくれるきっかけを作ることもできます。 「大切なことは欠点がないことではなく、自分の未熟さを認めて挫折を乗り越える勇気をもつことなんだよ」と、「ママの失敗談」を披露してあげましょう。 きっと、目を輝かせて聴き入ってくれることと思います。 Dメモ、メールなどで気持ちを伝える 面と向かってしまうと、つい小言が出てしまうのは親の常。 また直には照れくさくて伝えられないこともありますね。 手紙やメモ、メールなどを上手く使って、メッセージを伝えましょう。 たわいもない出来事でもいいのです。 「ごめんね」「ありがとう」と、素直な気持ちを表現して下さい。 すぐに返答がなくても、気にしない! 子どもは読んでいないふりをして読んでくれているものです。 根気づよくさりげない気持ちを伝え続けましょう。 E親子でいっしょに作業をする できればあとで見返すことのできるものをいっしょに作ってみましょう。 庭に木を植える、障子張り、料理などなど。 いっしょに声がけしないと難しい作業がいいですね。 ともに仕上げたという達成感は、次の会話の土台にもなります。 「手伝ってもらって助かったよ。すっかり一人前だね。」と感謝のメッセージも忘れずに。 F第三者にさりげなく入ってもらう 親子の関係が冷え込んでいると、家庭内の空気は重くよどんでしまいます。 昔のように大家族であったときは、おじいちゃん、おばあちゃん、そのお友達、出入りする親戚など、いろいろな人間関係が、さりげなく関係を修復してくれることもありました。 現代の核家族では、家庭内に問題があると、なおさら閉鎖的になりがちです。 そんなときは、敢えて第三者を家庭にお招きしてみましょう。 人選が重要です。 子どもにいきなり説教をするような人は逆効果。 問題の核心には触れず、子どもに自然な声かけができ普通の会話を楽しんでくれるようなかたがいればベストです。 G子どもに素直に詫びる 子どもに対して申し訳なかったと思っても、親としてのメンツから、実際なかなか誤ることができないこともあるかもしれません。 でも、そんな状況での親の行動を、けっこう子どもは見ているものです。 「親が自分に謝ってくれた!」 そういう気持ちから、お互いの感情の雪解けが始まることもあるでしょう。 子育ては、「親自身の自分育て」の機会でもあります。 勇気を持って、子どもに対して素直になることも大切です。 思春期は親子にとって長いトンネル。 でも必ず出口はあります。 焦らず、怒らず、受け容れて、待ちましょう。 |
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