このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
ノロウイルス・ロタウイルスなどによる感染性胃腸炎について | |
2008-02-17 更新 | |
冬場にはロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどのウイルス性胃腸炎、いわゆる吐き下しが毎年流行します。これらの病気について簡単にご説明いたします。 1)流行の時期;ノロウイルスによるものは初冬に、ロタウイルスによるものは2月頃から早春にかけてピークが見られます。 2)症状;ノロウイルスの潜伏期は1-2日で、吐きけ、嘔吐、腹痛、下痢で発症します。発熱、頭痛、筋肉痛を伴うこともあります。ロタウイルスの潜伏期は1-3日でとくに2歳以下の乳幼児が多くかかります。おもな症状は嘔吐、下痢、発熱で、ノロウイルスよりむしろ嘔吐も下痢も長く重症です。典型的な例では、便は白色から黄白色になります。40℃におよぶ高熱になることもまれではありません。赤ちゃんの便を持ってきてくださると10分ほどで検査ができます。いずれのウイルスでも嘔吐と下痢で身体からたくさんの水分が失われてしまいますので、脱水症状に注意することが大切です。 3)治療;吐き下しの治療はひとえに脱水の予防に尽きます。多くの場合まず吐きけ止めの座薬や内服薬を使います。また繰り返し頻回の嘔吐が見られ排尿が半日以上見られない場合などは水分栄養吐きけ止めの入った点滴を行います。おうちではこまめに水分補給を心がけてください。 4)予防;患者さんの便や吐物に含まれるウイルスを口から体内に取り込むことにより感染します。第一に手洗いの励行です。石けんを充分泡立てて隅々までよくこすり洗いをして流水で30秒以上しっかりすすぎましょう。また嘔吐や下痢の後始末でも十分な配慮が必要です。床に付着した吐物や下痢便の拭き取り消毒が不十分の場合、乾燥して空気中に舞い上がり、これが強力な感染源になります。まず、使い捨てのペーパータオルや新聞紙で静かにふきとりすぐにビニール袋に入れて処分します。さらに拭き取った場所を3リットルの水に60mlの塩素系漂白剤を入れて作った0.1%の次亜塩素酸ナトリウムをしみこませたペーパータオルで覆い10分程度したら水拭きして下さい 5)看護;嘔吐させずにいかに水分補給をしっかり行うかがポイントになります。吐きけの座薬が処方された場合は、座薬挿入後1時間ほどは完全に飲食を禁じて胃腸を安静にします。1時間ほど嘔吐がないことを確認したら、お口から一口ずつ水分を与えてみます。与えるものとしては、OS-1、アクアライトORSなど経口補液として市販されているものが一番良いでしょう。これらで2-3時間ほど様子をみて、大丈夫であれば次ぎに薄い塩味のおかゆとお味噌汁の上澄みなどを数さじ与えてみます。1時間くらいして嘔吐がないことを確認して、また同じものをすこし与えてみます。それでも大丈夫であれば、おじやや良く煮たうどんなどを与えてみてください。くれぐれもほしがっても満腹まで食べさせないようにして下さい。様子をみながら慎重にすすめて下さい。 |
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