このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
おすすめ絵本 「かわいそうな ぞう」 つちやゆきお 文 | |
2008-07-27 更新 | |
毎年8月になると私は息子にこの本を読んであげました。 お盆も近くなった夏の夜、庭から「コロコロコロ・・・」とコオロギの鳴き声。 何度目の読み聞かせでも、あまりの感動に最後まで続けて読むことはできません。 幼い息子はいつも「ママ、どうしたの・・・」と心配顔。 この本を開くとそんな思い出がよみがえります。 ●あらすじ 第二次世界大戦のころのこと、東京・上野動物園では空襲で檻が破壊されて猛獣が街に逃げ出したら大変だということで、猛獣を殺すことにしました。ライオンや熊が殺され、残すは象のジョン、トンキー、ワンリーだけになりました。 象に毒の入った餌を与えましたが、象たちは餌を吐き出してしまい、その後は毒餌を食べないため殺すことができません。毒を注射しようにも針が折れて注射が出来ないため、餌や水を与えるのをやめ餓死するのを待つことにしました。象たちは餌をもらうために必死に芸をします。しかし体力も尽き、ジョン、ワンリー、トンキーの順に餓死していきました。 ●さいごの部分の一節 「トンキーも ワンリーも どちらも てつのおりに もたれながら、やせこけたはなを たかくのばして、ばんざいの げいとうを したまま しんでしまいました」 戦争という私たちには想像もつかない恐ろしい時代。親が、子どもが、そして動物たちも、この不幸な時代に生を受けた、ただそれだけの理由で、無念のうちに死んでいく・・・。私たちが決して忘れてはいけない大切なことを、この絵本を読み継ぐことで、少しでも伝えていけたらと思います。 お子さんといっしょに夏のゆうべの読書などいかがですか。 もちろん、クリニックにおいてありますので、お手にとってご覧下さい。 |
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