このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
おねしょ・夜尿へのお家での対応 | |
2010-11-27 更新 | |
夜も寒くなってきました。 おねしょが気になる季節です。 今回は、おねしょに対するご家庭での対応についてお話します。 「おねしょ」と「夜尿症」は、夜寝ている間に無意識に排尿してしまうということでは同じですが、その違いのポイントは年齢です。 つまり、幼児期の夜尿をおねしょといい、6〜7歳(小学校入学後)以後の夜尿を夜尿症というのが一般的です。 2歳で2人に1人、3歳で3人に1人、4歳で4人に1人、5歳で5人に1人・・・・と、おねしょをする子は大きくなるにつれて減っていきます。 小学校低学年で約10%、小学校高学年で約5%にみられます。 夜尿症の主な原因は、「夜間の尿量が多いこと」と「夜間の膀胱容量が小さいこと」の2つです。 子どもの性格や保護者の育て方とは関係ありません。 夜間の尿量をコントロールするのに重要なのが、抗利尿ホルモンです。 このホルモンは夜間に多く分泌され、腎臓の尿細管という部分で尿中の水分を再吸収して尿量を少なくしてくれるので、夜間トイレに起きる必要なく、ゆっくり眠ることができます。 抗利尿ホルモンの分泌のリズムは、通常、成長とともに整ってきますが、この抗利尿ホルモンの夜間の分泌が悪いと、夜うすい尿がたくさん作られ、「膀胱タンク」の容量を超えてしまい、夜尿になってしまいます。 これが「低浸透圧多尿型」です。 また、夜間の膀胱機能(おしっこをこらえる力)は子どもの成長とともに発達していきます。 夜間は昼間の1回の尿量の1.5〜2.0倍はためられるようになり、4〜5歳になると夜間トイレに一 度も行かなくてもよい位のおしっこをためられるようになります。 しかし、夜尿症のお子さんの中には、膀胱の機能が未発達で、膀胱のためが小さいことがありま す。 この小さめのタンクから尿があふれれば、やはり夜尿になります。 これが「膀胱機能未熟型」です。 <おうちでの対策> @「起こさない」「怒らない」「焦らない」 寝ている子供を起こすのは逆効果。眠りを乱せば、おねしょは習慣づいてしまいます。 起こしてトイレに連れて行っても、それは「お便所おねしょ」です。 夜尿の朝は本人もプライドが傷ついています。そっとしてあげましょう。 うまくいった日は、めいっぱいほめてあげること。 周りが焦ると本人も過大なストレスを感じ、悪循環です。 A規則正しい生活のリズムの確立 規則正しい生活は、夜間の抗利尿ホルモンの分泌にも好影響。 毎日一定の時間に起きる、寝る、食事するようにしましょう。 B水分・塩分の摂取リズムを見直す・・・特に多尿型で大切 朝から午前中にたっぷりとって、午後から多少控えめにし、夕方からは制限します。 特に、就寝前2〜3時間は飲水、飲食をしないようにするのが原則です。 塩分をとりすぎると喉が乾いて、その結果、水分をとりすぎることになります。 特に夕食は薄味に。 スナック菓子とジュースの組み合わせは最悪です。 多すぎる牛乳もNG。多量の牛乳はタンパク質とカルシウムが過剰となり尿量が増加します。適量を心がけてください。 C排尿抑制訓練(日中おしっこをがまんする訓練)・・・膀胱機能未熟型で大切 帰宅後、尿意を感じたときに、おしっこをぎりぎりまでがまんさせる訓練をしてください。 がまん尿量の目安は、6〜8歳で150mL、9〜11歳で200mL、12〜15歳では300mL。 我慢し過ぎは腎臓に負担がかかります。それぞれ300mL、400mL、500mLを上限としましょう。 D冷え対策 寝る前にゆっくりお風呂にはいり、ふとんを温めておきましょう。 入浴剤もおすすめです。 特に何も治療しなくても、1つ年をとるごとに10〜15%の割合で減少するとされています。 7〜8歳で週の半分以上夜尿のあるお子さんの長期的な調査で、12歳でその50%が治り、15歳で90%が治っていました。 ほとんどのお子さんでいつかは治りますが、修学旅行などで外泊する機会も増えてきます。 夜尿症のために、行事に対して消極的になるのも残念です。 小学生になっても夜尿がある場合には、まず以上の生活注意を実践してみましょう。 そしてうまくいったときには、たくさんほめてあげてください。 お子さんのやる気を引き出して、「おねしょしないぞ!」という良い緊張感を保つことも大切です。 焦る必要はありませんが、お家の方が悩んだり、本人が気にしだしたときは、かかりつけの先生に気軽に相談してみましょう。 |
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