このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
保育園健診アンケートから「こどもたちの元気を応援する朝ごはん」 | |
2019-08-18 更新 | |
私は、保育園の園医を5園ほど担当しています。 今年度からの試みとして、朝ごはんの摂取とそのおおよその内容について、問診させていただきました。 一人残らず全員が朝食を摂取して登園しておられ、ママのがんばりが、伝わってきました。 お忙しい朝のお時間、ほんとうに工夫されていると感心しました。 まずは何でもいいから少しでも朝食を食べる、そこからスタートですが、次のステップとして、できるところから少しずつ、より「体がもっと喜ぶ朝食」へとバージョンアップしてみましょう。 ★朝食にぜひ取り入れたい要素としては、穀類、タンパク質、野菜や果物、汁物や飲み物があります。 主食は、ご飯、パン、麺、いずれでもOK。 これらが、血糖値を上げてパワーアップしてくれます。 その日の気分で、いろいろ変えてみるのも楽しいですね。 ここでひとつアドバイス。 できる範囲で、GIの小さなものをチョイスするということです。 GIが小さいものは、血糖値の変動が緩やかで、血糖値が安定するからです。 甘いパンとジュースとプリンなどの組み合わせですと、血糖値は急激に跳ね上がってしまいます。 大雑把には、「甘い系」のメニューより「ほのかな塩味系」のほうが血糖値は変動が小さくなります。 あわせて、適度な塩味は、夜間汗で失われた塩分を補充し、適度に血圧を上昇させて、からだの目覚ましにも貢献します。 例えばパンであれば、あんパン、チョコパンよりは、チーズトーストやタマゴサンド・・・そんな感じです。 ★おかずには、タンパク質を取り入れましょう。 タンパク質が朝の体温を上昇させて、からだをウォーミングアップしてくれます。 日本の伝統「納豆ご飯」最高ですね。 卵料理も朝に取り入れやすいタンパク質です。 炒り卵、卵焼き、目玉焼き・・・「朝といえばこれ」という感じですね。 炒り卵や卵焼きにみじん切り野菜を入れれば、バランスもグンとアップです。 ウインナー、ハムなどの肉加工品、焼き魚、フレーク状の鮭、などなど、いろいろ変化をつけてみましょう。 「のっけ丼」は子どもたちの大好きメニュー、忙しい朝、食べるのも、後片付けもすばやくできるので、おすすめです。 鮭そぼろ、炒り卵、納豆の3色丼なんて、すぐできちゃいますね。 お子さまも大喜び、どんどんお腹に入りそうです。 ★汁物に入れるタンパク質も、子どもたちが採り入れやすいメニューです。 豆腐、お麩の味噌汁、豚汁や鶏肉入りのおかず汁は、和食の朝に、ソーセージ、ハム入りのスープは、洋食の朝に・・・食事とともに汁物から摂取する水分は、便秘の予防にも役立ちます。 野菜もいっしょに摂れるから一挙両得です。 汁物の準備はちょっと時間がかかりますね。 もちろん前夜の残り物で十分です。 ★果物も、多くのお子さんが摂取されていました。 朝の果物は「金」、昼は「銀」、夕は「銅」という表現があります。 果物は朝食べるのがベストということです。 季節の果物をちょっと添えてあげるだけでも、食卓が華やぎますし、ビタミンCは免疫をアップ、食物繊維で、翌朝のお通じにも貢献します。 また、バナナは、「幸せホルモン」セロトニンの原料になるトリプトファンを多く含みます。 バナナのヨーグルト和えなど、朝にぴったりですね。 ★などなど朝のアイディアをいくつか述べてきましたが、毎日のことですから、あまり難しく考えず、たとえば、まずはヨーグルトをプラス、野菜ジュースをプラス、ウインナーをプラス・・・など、少しずつステップアップしてみましょう。 朝はママも大忙し、できるだけ前の日に作って、朝は温めるだけにしておくと便利です。 ★「朝は子どもも食欲がなくて・・・」そういうご意見も目立ちました。 子どもたちは朝機嫌が悪いですね。 お腹もまだ「おねんね中」、そんなお子さんも多いと思います。 朝の食欲アップの工夫としては、 @夕食後の「夜おやつ」を与えない。 A朝起きぬけに、小さなコップ半分くらいの水道水に、「ポッカレモン」のような無糖のレモン果汁を少し入れて飲ませて胃腸を目覚ましする。 などが挙げられます。 朝時間が許せば、朝シャワーをする、朝ラジオ体操をする、などはとても効果的だと思います。 3食で一番大切な朝ごはん、ちょっとずつ工夫して、元気に1日をスタートさせてあげましょう。 |
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