このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
こどもをメディア漬けから守ろう! | |
2009-02-15 更新 | |
今、子どもたちの周りにはメディア文化があふれています。1953年のテレビの登場に始まり、その後テレビゲーム、パソコン、携帯電話と、新しいメディアが凄まじいスピードで普及しました。これらの普及に伴い、外遊びと家の手伝いが激減しました。外遊びは子どもたちが大自然とふれあい、集団のなかで挫折も含めた人間関係を体験して、子どもが「人間になっていく」ための「子ども文化」の時間でした。家の手伝いは、受け継がれてきた「生活文化」体験の貴重な機会でした。 子どもが体と心を育てるべき「子ども期」に個室にこもって、人と言葉を交わさずに長時間過ごすということは、長い人類の歴史の中でかつてなかったことです。 これらの変化で、子どもたちにはどんな変化が起きたのでしょう。 1)体が育たない:足や背筋などの発達が悪く、運動機能の低下やバランス機能の未発達により、転倒などの事故の増加も指摘されています。自分の体をコントロールしようとする意欲が低下しているといわれます。 2)自律神経の不調;クラスに1〜2割は低体温や微熱など体温調節の不調を訴える子どもがいます。エアコンの効いた快適環境では自律神経は鍛えられません。厳しい寒さ/暑さに耐えながら、ハラハラドキドキワクワクする遊びの中でこそ鍛えることができます。またテレビ/ゲームの視聴のため就寝時間が遅れて生活リズムを乱すことも指摘されています。 3)視力/立体視力の衰え;最近飛んでくるボールを避けることができずにけがをする子どもが増えています。2次元のモニター画像の視聴では立体視力は鍛えられません。 4)脳の異変;キレる子ども、ADHD、学級崩壊などの増加が、乳幼児期からのメディアとの接触と関連している可能性が指摘されています。 5)コミュニケーション能力発達の遅れ;乳幼児ではメディア接触時間の増加が母や家族との情緒の交流や言葉のやり取りの減少を招きます。言葉発達の著しい遅れ、「視線の合わない子ども」の増加など、問題が多発しています。 6)仮想現実体験の弊害;リセットボタンひとつですぐに生き返るゲームに幼少時からつかりきっている子どもたちの多くで、生と死の感覚が極端に歪んでしまっていることも指摘されています。自分が転んで擦りむいて痛かったり、飼っていた虫が死んでしまったりなど、生の体験が正しい生命感覚を育みます。 ごく幼い時期からのメディアからの強烈な情報刺激は幼い心と体を大きく蝕みます。 子どもたちの健やかな発達のためつのアドバイスです。 1)2歳以下の子どもにはテレビ/ビデオを長時間見せない。 2)テレビのつけっぱなしは避ける。 3)乳幼児にはひとりでテレビ/ビデオを見せない。 4)授乳中、食事中はテレビ/ビデオを消す。 5)子供部屋にはテレビ/ビデオを置かない。 自然とのふれあいや家族とのコミュニケーションを取り戻し、ご家庭のオリジナルな時間の過ごし方を楽しんでみませんか。 |
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