このコーナーではお母さまの子育てに役立つ情報を、主に「病気」「食事」「生活」の分野から
ご紹介していきたいと思います。
お母さまの広場
食物アレルギー予防についてのQ&A | |
2013-09-28 更新 | |
離乳食を作るだけでも、ママにとっては大きな負担。 さらにもって「離乳食でアレルギー症状が出たら・・・」という心配がママのストレスを限りなく増大させますね。 今回は、離乳食と食物アレルギーについての質問あれこれを取り上げてみました。 @妊娠中や授乳中のママの食事制限って必要? 基本的には必要はありあせん。 妊婦さんの卵除去がアレルギーを予防できると、考えられていた時期もありましたが、現在はこの考えは完全に否定されています。 牛乳を水代わりに1日3リットルも飲むとか、きな粉をどんぶり1杯食べるとか、毎日生卵ご飯を食べるなど、極端な食事でなければ大丈夫。 ママがバランスよく何でも食べることが1番です。 ただしタンパク質は加熱して食べた方が良いでしょう。 Aこどものスキンケアが食物アレルギーの予防に役立つって、ほんとうですか? 最近の研究で、この可能性が充分あると考えられるようになってきています。 食べ物は、口から取り込んだときは、胃腸で消化され、小さな分子になってアレルギー性が小さくなった状態で吸収されます。 また、腸は体にいれるべきものと入れないほうが良いものを分けて吸収してくれます。いわばアレルギー予防フィルターを通って体内に入るわけです。 ところが肌が荒れていると、肌には目に見えない小さな傷があるため、空気中に漂っていたり、床に落ちている食物の成分が、そのまま(もちろん消化されていないので大きな分子のまま)皮膚から体内に入ってゆきます。 そのため、お子さんの体質によっては、その食物抗原に感作(アレルギーを持つようになること)されてしまうのです。 食べてもいないのに知らず知らずに強力に感作さえてしまうわけです。 このようにスキンケアで皮膚を健やかに保つことは、アレルゲンの侵入を防いでアレルギーを予防することに大いに役立つと考えられています。 B離乳食の開始は遅ければ遅いほどアレルギーを予防できるのですか? それは違います。 以前は、そのように考えられた時期もありました。 しかし最近の研究では、むしろ遅すぎも早すぎもいけない、適切な時期の開始が大切という結論になっています。 離乳食の開始が遅過ぎると、2歳になったときの喘息とアトピーの発症頻度が高いと言われています。 そもそも食べ物はヒトに取っては異物です。 生体は異物を認識すると排除しようとしてアレルギー反応を起こします。 しかし生物は食べなければ生きてゆけませんから、長い進化の過程で異物である食物を消化するというステップを経て、異物と認識せずに(これを免疫寛容といいます。)吸収して栄養にするシステムを身につけてきたわけです。 しかしその食べ物に関しての免疫寛容状態を作ることができるのは、乳児期のある時期に限られ、それより遅くに離乳食を開始した場合は、むしろアレルギーが起きやすくなるということがわかってきました。 この時期は生後5ヶ月〜6ヶ月とされ、この時期に開始することが1番安全であるといわれています。 お子さんが5ヶ月に入って、6ヶ月が終わるまでの2ヶ月間のうちで、体調のいい時期にスタートしましょう。 C他にアレルギー予防で気をつけることはありますか? ご家族みんなの完全禁煙です。 受動喫煙は気管支喘息やアトピー性皮膚炎を悪化させることがわかっている他、食物アレルギーを悪化させるというデータも出ています。 たとえその場に子どもがいなくても、子どもが入る可能性のある部屋や車の中では喫煙すべきではありません。 室内や車内で喫煙すると、壁などにタバコの煙の成分が付着し、有害成分が長期間揮発することが知られているからです。 D具体的に進め方で気をつけることを教えて下さい。 お初挑戦は、「体調の良いときに、新鮮なものを、よく加熱して、ごく少量ひと口から」が基本。 アレルギーの反応はすぐに発症する場合から、2日くらいして出てくる場合もあるので、2回目は、1回目から2日おいて3日目に与えるのが安全です。 また同じ食材では、アレルギー性の低いものから与えましょう。 たとえば、卵の場合、いきなりプリンや茶碗蒸しを与えるのは危険です。 卵アレルギーは圧倒的に卵白によるものなので、固ゆで卵黄を少しずつおかゆに混ぜるなど、リスクが低いものから徐々に挑戦しましょう。 実際に卵で症状が出てしまうことが多いものとして、上の2つのほか、フレンチトースト、全卵たまごのおじややうどんなどがあります。 卵ボーロは、片栗粉でんぷんを原料にしているため、小麦粉使用の卵クッキーより10倍もアレルギーが強く起きるといわれています。 赤ちゃんのおやつとして手軽な卵ボーロですが、けっこうハードルは高いので、気をつけましょう。 医学も日々進歩し、以前言われていたことが、その後研究で別な結論になることもあります。 食べることは言うまでもなく生きることの基本、いたずらに恐れることなく、ただし基本は守って、楽しく離乳食を進めましょう。 |
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